医学部の編入は合格しやすいのか?
再挑戦の道を切り開く医学部編入の情報
医学部以外の学部に進学したものの、やはり医師を目指したいという気持ちが強くなる大学生もいます。改めて大学入試を受けて医学部に進学する方法もありますが、医師になる際の年齢が高くなってしまいます。できるだけ若くして医師になりたいと考えるなら、医学部編入試験の受験情報をチェックしてみましょう。
令和元年度(2019年度)には、編入試験を実施している大学は、国公立医学部で29大学、私立医学部で5大学ありました。国公立医学部の場合、多くは専門科目の履修が本格的に始まる2年次からの編入となります。一方、私立医学部の編入時期は、大学によってばらつきがあります。具体的な時期は、
岩手医科大学:3年次
北里大学:1年次後期
金沢医科大学:1年次後期
獨協医科大学:1年次と2年次
東海大学:1年次
(2019年度時点)
となっています。
定員は5名~10名程度のところが多いです。編入は定員が少ないですが、希望者も通常の医学部受験と比べると限られます。そのため、興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。また、弘前大学や東海大学では編入定員が20名となっています。もちろん希望者が多ければ競争は激しくなりますが、定員が多いと極端に優秀な受験生だけで定員が埋まるリスクは低くなります。編入にこだわって医学部入りを目指すなら、受験情報で定員も比較しながら受験校を検討してみてください。
日程は早いところでは5月からありますので、複数の大学を受験することができます。また試験科目は、英語、理科(多くが生命科学)、面接と小論文が基本です。英語は医学英語や薬学英語が必須となります。理科(主に生命科学)では、最新の知見が入試問題に登場しやすいため、普段から医学論文、医学情報に触れておくと良いでしょう。
編入試験対策用のテキストとしては、河合塾のKALSがもっとも一般的で、内容的も充実しています。一部のウェブサイトにある受験情報を見てみると、編入試験は科目数も少なく難易度もそれほど高くない印象を受けるかもしれません。しかし、実際には一般入試での医学部受験と比べて問題の難易度がかなり高いケースが多いです。そのため、編入試験に合格するためには、医学に関する多くの知識や、入念な準備が必要となります。
大学によっては、書類審査を実施するところもあります。出身大学が編入可否に影響する場合があるので注意してください。複数の編入試験を受けてみて、書類審査のハードルが高いと感じた場合は、通常の医学部受験に切り替える柔軟性も持っておきましょう。
(参考URL:河合塾KALS)
どんな対策が必要か
編入試験では、専門性が高い内容が問われます。そのため、一般の医学部受験で必要となる高校レベルの知識では不十分です。大学で生物や化学、薬学などを専攻している場合は有利になります。一方、文系学部からの編入を目指す受験生もいるでしょう。高校では化学や生物についてほとんど学習していなかったり、学習していても年月が経って内容を忘れていたりするケースも考えられます。その際は、生物や化学を基礎から習得した上で、分子生物学や生理学、免疫学など基礎系の内容も習得する必要があります。短時間で効率よく勉強しようと、いきなり専門的な分野を勉強してみたいと思うかもしれません。しかし、医学部編入試験の問題は、基礎医学が発展するにしたがって高度になってきています。そのため、最新の知見や知識も含めて、付け焼刃では到底太刀打ちできない高いレベルの理解が必要です。専門的な内容を曖昧に理解するのではなく、まずは生物や化学の教科書を何度も通読し、基礎学力をつけた上で専門分野の学習に進みましょう。
専門分野の学習を進める中で、基礎医学の全体像を把握したい場合は、講談社ブルーバックスシリーズの基礎医学系のものを繰り返し読むのが有効です。特に、「大学生物学の教科書」(全3巻)は基礎医学の全体像が分かりやすく示されているためおすすめです。編入試験を受けることが決まっている人はもちろん、今の大学や学部に不満があり、医学部編入を目指す可能性がある理系大学生もまずは目を通して知識を深めてみてください。
基礎医学の知識がある程度身についてきたら、受験情報で編入を希望する大学の過去問をチェックしましょう。大学の出題傾向に合わせて、より詳しい知識・理解が求められる書籍を読み進めて対策を重ねれば、合格に向けてさらに前進できます。
- 医学部受験情報サイトプレメディ
- 医学部の基礎医学にはどんなものがある?現役医学生が解説!
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