2019年度熊本大学医学部入試傾向の解説<数学編>
INDEX
概要
- 大問は4問
- 解答時間は120分
- 記述形式
- 医学部のみの問題は大問4のみ
設問別分析表
大問1(数学IIIの積分)
回転体の体積を求める問題である。
xについての三次方程式が異なる2つの実数解をもつという条件を考える。
基本的な問題でありかなり解きやすい問題。
(2)では、取り除かなければならない部分の体積があることに注意する。
大問2(図形と方程式)
(1)軌跡の基本的な問題。図形的な見方をすることと除外する点に注意。
(2)点と直線の距離の公式を利用する基本問題。直線lとmの交点を求めると計算が複雑になるので、点と直線の距離の公式を用いる。
(3)三角形が直角二等辺三角形になるときであることに気づけば解ける。ABを底辺とすると高さが最大になる(面積が最大になる)ので、AP=BPの条件を用いる。
大問3(数学IIIの微分積分)
(1)接線の公式より導く問題。aの値は接線lが原点を通ることより求める。
(2)増減表を考えることにより共有点を求める基本的な問題。Cとlの共有点のx座標を求め、それをf(x)とおき、増減表から共有点を求める。
(3)積分により面積を求める問題。積分計算は基本的な問題。曲線と直線の上下関係を考えるところがポイントでありやりにくい。
大問4(確率と二項係数)
医学部のみの問題。熊大頻出の二項係数の計算の問題。証明問題である。
(1)二項係数の計算の証明問題。単純な確率の考えで解ける。
(2)二項係数の計算の証明問題。考え方は単純であるが計算が煩雑。組み合わせの公式を用いて式変形をしていく。
(3)二項係数の性質を理解しておかなければ解けない問題であった。この性質、解法は必ず習得しておかなければいけないものの一つである。
傾向と対策
今年は医学部のみの問題は第4問のみでその他は共通問題である。例年と比較してもかなり解きやすい問題であった。難易度はやや易。第1問、第2問、第3問は解きやすい標準的な問題である。なかでも第2問の軌跡の考え方はしっかりと抑えておきたい考え方であり確実に得点しておきたい。また、第4問は医学部のみの問題であり熊大で頻出の二項係数の問題である。(1)(2)は二項係数の計算演習をしっかりとやっていれば十分対応できるが、(3)の内容は難しい内容であった。しかし、確実に習得しておきたい内容なのでこのレベルまでしっかりと対策をしておくこと。
頻出の分野は、数学IIIの微分積分と複素数平面をはじめ、確率、図形と方程式、ベクトルなどである。対策をするうえで、分野により偏りがあるように感じるが、これまで出題が少なかった問題も出題されることがあるので、対策は幅広くやっておきたい。また、取りこぼすと差がつきやすい問題も多く出題されるため、解法の選択をはじめ正確な計算力も必要とされる。標準的な問題を中心に演習を数多くするなど対策をしておきたい。
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