2019年度大分大学医学部入試傾向の解説<数学編>
INDEX
概要
・大問は3問。
・解答時間は80分。
・記述形式。
・すべて医学部のみの問題。
設問別分析表
大問1(数列の極限)
(1)相似比を利用して長さを求める問題。角を求める→相似比→対角線の長さという順番で求める。
(2)無限等比級数の基本問題。(1)を利用する。lk+1とlkの間の一般的な関係を作る。和は収束するので、シグマを計算する。
大問2(空間ベクトル)
外接球面の中心の位置ベクトルを求める問題。空間ベクトルの演習の際に等面四面体についての知識や解法を身につけておけば迷うことはない問題。PO=PA=PB=PCであることに注意する。△PAB,△PBC,△PCAは二等辺三角形である。演習しておきたい問題である。
大問3(数学IIIの微分)
(1)定数関数であることの証明。条件式から導くことができる。微分して0になる関数は定数関数である。
(2)(1)と同様の解法で解ける。導関数が単調増加関数であることを利用する問題。g(0)=0より、g(x)が定まる。正確な論述ができるかどうかがポイントとなる。
傾向と対策
すべて医学部のみの問題である。難易度は例年並で基礎から標準レベルの問題が出題される。
- 大問1
- 平面図形から数列の極限を考える問題である。一見やや複雑な図形の問題だが類題は必ず解いておくべき頻出パターンである。しっかり演習して解法を身に付けておかなければならない問題である。
- 大問2
- 等面四面体を題材とした空間ベクトルの問題である。有名な性質を示す問題となっており、考察したことがある者からするとかなりやりやすかった問題であっただろう。演習の際にどれだけ考察していたかによって差がつく問題である。
- 大問3
- 数学IIIの微分の内容から定数関数であることを証明する問題である。頻出の内容であるが論述の正確さで差がつく問題である。対策の際にしっかり練習しておくべきである。
大分大学では数学IIIの微分積分が頻出分野であるが、出題パターンは様々あるので全体的にしっかりと演習をしておくべきである。どの内容が出題されても得点できるように対策をとっておいてほしい。
また、数列の極限、複素数平面も頻出で、その他の分野からも様々な問題が出題される。大問が3問しかないため極端に苦手な分野を作ってしまっていると、もし出題された際に大きなビハインドとなってしまう。極端に苦手な分野を作らないように対策をしておくことと、もし苦手な分野が出題されてしまっても5〜6割は得点できるようにしておくことを意識しておかなければならない。また、計算ミスは致命傷になりかねないので、正確な計算力を身に付けておきたい。証明問題が出題されることもあるので正確な論述ができるように訓練しておく必要もある。
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