医学部受験におけるピグマリオン効果〜医学部受験をする子供との関わり方
人間であれば誰しもが「認められたい」という気持ち、いわゆる承認欲求を持っています。自分のために成果を出すよう努力したときであっても、他の人に認められたら悪い気はしませんよね。医学部受験にも同じことが言えるでしょう。例え自分自身のためであっても、医学部受験に成功することが、周囲の期待に応えて承認されることにつながると分かっていると俄然やる気が出るはずです。
つまり、受験生の最も身近な存在である「親」の関わり方で、受験の結果が左右されるといっても過言ではないのです。今回は「ピグマリオン効果」という心理学効果を理解することで、親の立場でできる医学部受験合格のサポートを考えましょう。
INDEX
1.ピグマリオン効果とは?
周囲の期待が子どもの成績を左右することを証明する実験結果が、以下のように報告されています。
ある小学校で行われた実験で、クラスの中からランダムに選ばれた児童を「成績が向上する生徒である」と学級担任に説明しました。すると、ランダムで選ばれたはずの生徒たちの成績がグングン向上していったのです。
このように、周囲が期待をすることで、期待された人が成果を上げやすくなる心理学現象を「ピグマリオン効果」と言います。この現象が起こる理由を考えることで、医学部受験をする受験生をサポートする方法を見つけられます。
2.ピグマリオン効果はなぜ起こる?
上述した実験でピグマリオン効果が起こる理由は2つあります。
①学級担任が、選ばれた児童に期待をこめて接したため
ピグマリオン効果は「教師期待効果」とも呼ばれます。教師が児童に期待することで、児童が成果を出すようになることを示す、単純明快な別名です。人間は、期待をかける対象にはポジティブに接する傾向があります。肯定的な声掛けをしたり、協力したりしやすくなることで、その対象が成果を出しやすい環境が整うわけですね。
②選ばれた児童は、自分が期待されていることを意識したため
期待をかけられている側からすれば、自分自身の持っている承認欲求が満たされるチャンスと言えるでしょう。その期待に応えることで、必ず認めてもらえることが分かっているからです。そのため、なんとかして期待に応えようと試行錯誤したり努力を重ねたりするようになります。
3.親がやるべきこと・やってはいけないこと
ピグマリオン効果を起こすには、何よりまず親が子どもに期待することが必須です。例え現在の成績が悪くても、効率的に勉強できていなくても、子どもを信じて期待しましょう。そして、その期待に沿った関わり方をしてあげることが医学部受験の最大限のサポートとなります。
逆に、決してやってはいけないことは「期待をせず、関心を持たない」ということです。
「どうせ合格できないだろう」
「この子は勉強が苦手だから」
「医学部受験は本人が勝手に決めたから、自分には関係ない」
親がこのような考えを持っていると、必ず子どもへ伝わります。そして、期待されていないことを感じた子どもはパフォーマンスを発揮できず、成果を出せなくなってしまいます。ピグマリオン効果の正反対のこの心理学現象を「ゴーレム効果」と言います。
「あなたの成績だと、医学部合格は無理じゃない?」
「がんばるって言ってもねえ…」
「好きにしたらいいよ」
こんな声掛けをしてしまっていませんか?このような声掛けは、受験生のパフォーマンスを制限してしまいます。現在の成績に関わらず、子どものことを信じ、期待をかけてあげることが大事です。そのため、次のような声掛けをしてみると良いでしょう。
「きっと合格できるよ」
「がんばっているね、応援しているよ」
「困ったことがあったら、何でも相談してね」
自分に期待してくれていたり、興味をもってくれていたりすることが分かることで、ピグマリオン効果が起こります。
4.まとめ
医学部受験の成功をねらう受験生を持つ親にできることは、以下のようなことです。
- 今の実力に関わらず、子どもに期待する
- 期待に沿った声掛けや協力を行う
- 子どもの決断(医学部受験)に関心を持つ
親がこれらを意識し実践することで、子どもたちは全力で医学部受験に専念し成果を出すことができるようになります。
子どもたちの医学部受験を成功に導けるのは、親の期待あってこそです。期待して、関心を持ち、子どもの医学部受験を応援してあげましょう。
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