2019年度九州大学医学部入試傾向の解説<化学編>

2020年度九州大学医学部入試傾向の解説<化学編>

概要

・大問は5問
・理科2科目(化学+物理)合わせて150分
・一般的な記述式回答

設問別分析表

大問1-3 無機化学、理論化学

九州大の前半3題は無機化学と理論化学が出題されます。厳密に言えば、1題は理論化学メインの設問で、残り2題は無機化学と理論化学の融合問題であることが多いです。前者は、平衡や反応速度といったやや煩雑な計算問題が出題される傾向にありますので、近似式などはすぐに使えるようにしておいてください。一方後者は、無機各論の説明文に下線が引いてあって計算問題という形式が頻出しており、再頻出分野は結晶格子です。他の大学と比べて、かなり無機化学の知識問題が多いことに特徴がありますが、難易度は高くありません。標準レベルの一問一答問題集などを用いてすぐにアウトプットできるようにしておきましょう。計算自体もそこまで複雑ではありませんので、臆する必要はありません。

大問4 有機化学

超定番の構造決定の問題が多く出題されます。難易度自体は高くないので、しっかりと標準レベルの問題集を網羅したのちに、やや難しい問題を解けるようにしておいてください。構造決定は合格する上で落とせない分野になりますので、最優先で対策しておいてください。

大問5 天然物・高分子

九州大最大の特徴は、天然物・高分子が毎年出題されることと、その問題数の多さです。設問数が8個あることも多々あります。天然物・高分子は高校のカリキュラム上最後に扱われることも多いため、後回しにされがちで十分な対策がなされていないことが多いですが、対策さえしておけば出題のバリエーションは広くないので得点源になりやすい分野です。知識と計算も含めて入試前に今一度整理しておきましょう。

傾向と対策

九州大の出題数は5問で固定されており、前半3題が無機化学・理論化学の融合、後半2題は有機化学という出題傾向が続いています。前半は知識を問う問題からその周辺分野の計算が課される流れが多いです。後半は2題とも内容として突飛なものはなく、基本的な構造決定や高分子の知識を抑えておけば解けるはずです。全ての分野を標準レベルの問題集で網羅したのちに、頻出分野である構造決定・高分子・天然物・結晶格子は別の問題集なども用いながら徹底的に対策しましょう。
本番は物理と合わせて150分で出題されます。化学は、全体的に難解な問題は物理と比べて少ないので、化学から解き始めるのも一つの手です。2科目セットで過去問演習を行なって時間配分を意識するようにしてください。

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL