2019年度熊本大学医学部入試傾向の解説<物理編>

2020年度熊本大学医学部入試傾向の解説<物理編>

概要

・大問は3問
・理科2科目(化学+物理)で合わせて120分
・一般的な記述式回答

設問別分析表

大問1 力学

熊本大では決まって大問1では力学が出題されています。あまり複雑な設定の問題も少なく、難易度も標準的な出題が続いています。以前は斜方投射や水平照射などの基本的な質点の運動が多かったですが、近年はばねと円運動の複合問題など、単振動を絡めた出題が続いています。大問2の電磁気学においても、力学を用いた記述が問われることもあるので、まずは力学を最優先に対策しましょう。

大問2 電磁気学

大問2は決まって電磁気学が出題され続けています。こちらも難易度としては標準的なものが出題されます。以前はクーロン力やローレンツ力といった力学を絡めた出題が多く出されていましたが、近年は単なる電子回路の問題が出題される傾向にあるようです。大問3と比べると対策しやすいので、力学を勉強した後はすぐに電磁気の対策を行うようにしてください

大問3 熱力学or波動or原子

大問3は熱力学、波動、原子の中からランダムに出題されています。以前は決まって熱力学か波動でしたが、去年新課程後では初めて原子分野が出題されました。原子分野は内容としては難しいですが、出題できる範囲は限られているので、一度基本的な問題の解き方は頭に入れておきましょう。熱力学・波動が出題されるときは、物理の中では一番難しい設問になることが多いです。ピストンをつけた定圧変化や薄膜の干渉といった、受験生がなかなか理解しづらい分野から出されることも多いですので、教科書レベルから勉強するときにはそれぞれの有名実験の意義を理解することに努めましょう。

傾向と対策

大問の数は3で固定されており、今年もこの形式のままだと予想できます。難易度は、熊本大の理系学部共通問題なので、医学部基準ではかなり易しいです。特に大問1,2は標準的なレベルの出題が続いているので、力学と電磁気の学習を最優先でとりかかってください。逆に大問3は難易度が高いので、有名実験を題材にした問題を中心に、難関校向けの学習が必要になるでしょう。理科は標準的な出題が続いていますが、英語・数学は医学部独自問題なので難易度は高いため、入試本番までに科目ごとに勉強時間に傾斜をつける必要がありそうです。
入試本番は化学と合わせて120分による出題です。時間配分を意識しながら、化学とセットで過去問演習を行なってください。合格者は理科を得点源にしているので、ミスなく解き進める意識が必要となります。

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