2019年度広島大学医学部入試傾向の解説<数学編>

2020年度広島大学医学部入試傾向の解説<数学編>

概要

・大問は5問
・解答時間は150分
・記述形式
・医学部のみの問題はなし

設問別分析表

大問1(数列)

(1)漸化式を解く問題。解法を1度は確認をしておきたい。
(2)等差数列であることを証明する問題。基本的な対数の計算で解ける。
(3)等比数列であることを証明する問題。やや煩雑であるが指数・対数の計算ができれば解ける。

大問2(確率)

(1)問題の意味を理解していれば単純な確率の問題。
(2)シグマ計算をして数え上げなければならず、抽象的でやりにくいが内容はそこまで難しくはない。
(3)与えられた条件を満たす組みをすべて数え上げればよいが、シグマ計算が複雑でやや分かりにくい。
(4)見かけよりも考えやすい問題。面積の条件から何が成り立つのかを考えればよい。

大問3(数学IIIの微分積分)

(1)積分方程式の問題。適切な式変形をできるかがポイント。
(2)(1)を利用し、条件から積分定数を求めればよい。
(3)増減表より方程式の解の個数を考える問題。典型題。
(4)2つの面積の大小関係を考える問題。それぞれの面積を求めるのではなく差を考えることに気がつくかがポイント。

大問4(複素数平面)

(1)条件を満たす複素数全体を図示する問題。基本題。
(2)複素数係数の2次方程式の解が2個であることを示す問題。(1)を利用して解くことができる。
(3)複素数平面上の軌跡を求める問題。複素数に対応する点が線分上を動くときの式を考えればよい。
(4)複素数平面上の軌跡を求める問題。複素数に対応する点が直線上を動くときの式を考えられるかがポイント。

大問5(図形と方程式)

(1)2直線が垂直になる条件を考える問題。
(2)垂心の性質を利用する問題。
(3)図形の証明問題。角が等しいことに気がつくことがポイント。
(4)点と直線の距離を利用し、内接円の半径を考える問題。
(5)関数の増減を考え、最大値を持つことを示す問題。置換などで計算の工夫をすれば計算量は減る。

傾向と対策

難易度は例年並で標準レベルの内容の出題が多い。
大問1は数列の漸化式の問題で(1)の漸化式は一度は触れておきたい。
大問2は確率からの出題で丁寧に数え上げることができるかが問われている。
大問3は数学IIIの微分積分からの出題で積分方程式から面積を考える典型的な問題である。
大問4は複素数平面の基本的な変換の問題。必ず練習しておきたい。
大問5は図形と方程式の総合問題で数ある解法の中から選択をし解答する力が求められている。
広島大学では数学IIIの微分積分、確率、図形と方程式、ベクトル、数列などの分野から多く出題される。様々な融合問題が出題されることやそのまま解くと計算量が多くなる問題が出題されることも多い。日頃から図示して考える習慣をつけることや、計算の際には何か工夫ができないかどうか考える習慣をつけることが重要である。標準問題を中心に幅広く学習をし、できる問題は確実に得点できる計算力をつけておいてほしい。

 

大学受験「数学専門ゼミナール」
堀川 真吾


熊本県立済々黌高等学校九州大学理学部数学科卒業。

私立高校の教員を12年間勤めた後、大学受験「数学専門ゼミナール」を設立。 九州大学医学部京都府立医科大学高知大学医学部産業医科大学福岡大学医学部久留米大学医学部など医学部指導実績多数。

大学受験『数学専門ゼミナール』(2019年開校)
福岡市早良区西新2丁目10番1号西新パレス内

092-406-8095

HP: https://mathzemi.com

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL