2019年度宮崎大学医学部入試傾向の解説<数学編>
INDEX
概要
・大問は5問
・解答時間は120分
・記述形式
・すべて医学部のみの問題
設問別分析表
大問1(三角関数)
三角関数の加法定理、合成を利用して連立不等式で表された領域を求める問題。加法定理を用いて、三角関数を含む不等式をどのように解くか、が鍵となる。計算の処理さえできれば問題なく解ける。求める領域は、境界線と、点(2π,2π)は含むことに注意しなければならない。
大問2(ベクトル)
(1)内積を求める基本題。内積の定義はすぐに言えるようになっているとスムーズに計算ができる。
(2)ベクトルの大きさを求める問題。余弦定理を用いても計算できる。基本。
(3)ベクトルの面積の公式を利用する問題。基本。
(4)平面と垂直なベクトルを求める問題。これから高さを求めて四面体の体積を求める問題が典型題。辺OHが平面ACDに垂直であることからベクトルを求める。
大問3(確率)
(1)問題の意味を理解しているかだけが問われる問題。n=1と2と3の時を具体的に調べることが要求されている。
(2)関係式を求める問題。1つ1つの場合を考えればできる。過不足なくすべて取る場合を調べる。
(3)(2)を利用して順番に求めればよい。漸化式を利用する。
(4)余事象の問題。(3)から2回以上続けて用いる場合を除けばよい。
大問4(数学IIIの微積分)
(1)共有点をもつ条件を考える問題。典型題。f(x)の最大値と最小値を増減表を書いて求める。
(2)回転体の体積を求める基本問題。
(3)(1)と(2)を利用して最小値を考える問題。(1)で求めたkの範囲における最小値を求めることに注意する。
大問5(整式の割り算)
(1)割ったときの余りを求める問題。基本問題。2次式で割ったあまりは1次式とおけることがわかっていれば簡単。
(2)(1)と同様の問題。典型題。しかし、(1)と同様にしては求められない。
(3)(2)の結果を利用して余りを求める問題。式変形を工夫する必要がある。連立方程式を解く。
傾向と対策
すべて医学部のみの問題である。難易度は例年並で基本的から標準レベルの内容の出題が多い。
大問1は領域を求める問題で、三角関数で表された不等式を落ち着いて式変形できればよい。
大問2は空間ベクトルの問題で有名な問題である。落ち着いて得点したい。
大問3は確率の問題で見かけより難しくはない。完答できる。
大問4は数学IIIの微積分の問題で回転体の体積とその最小値を求める問題。典型題であり計算間違いに気をつけて計算したい。
大問5は整式の割り算の問題で典型的な問題である。(3)は計算処理を気をつける必要がある。1度は必ず演習しておきたい。
宮崎大学では数学IIIの微分積分をはじめ、場合の数と確率、図形、指数対数、ベクトル、数列などの分野からよく出題され、証明問題なども出題される。典型的な問題が数多く出題されるため、計算間違いなどのケアレスミスなどをせずに確実に得点できるよう対策をとっておかなければならない。基本から標準問題を中心に幅広く繰り返し学習をしておくこと。また、苦手分野を作っておくと差がつくためどの分野も苦手のままにしておくことなく典型的な問題や頻出問題は一通りできるようになっておいてほしい。
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