2019年度長崎大学医学部入試傾向の解説<英語編>

2020年度長崎大学医学部入試傾向の解説<英語編>

概要

・大問は5問
・読解3題、英作文2題 100分
・読解は記述式および選択式
・記述式では内容説明、英文和訳など
・文法・語彙問題は選択式
・英作文は意見論述

設問別分析表

大問A~C 読解

長崎大では例年大問A、B、Cは読解問題です。読解文は特に難解な語彙はありませんが、文章の種類が論説文、エッセイ、小説など多岐にわたります。センター試験レベルの基本英単語やイディオムをしっかり身に付けることが重要です。大問Aは日本語で問われ、記述による内容説明、英文和訳および要約、選択式による内容一致問題、空所補充、同意表現選択などがあり設問の種類はさまざまです。大問Bは英語の問いにすべて英語で答える形式になっています。大問Cは選択式の空所補充問題のみです。設問の特徴として、物語やエッセイの場合、同上人物の関係性や「物語の語り手は誰か」など出来事の説明や人物の特定など、内容の詳細を問う傾向が見られます。理系の学生にとっては多少取り組みにくい文章の種類といえるでしょう。よって、会話文を多く含む文章や、物語の読解が苦手な人はそれらの種類の文章に慣れることが必要です。大問Cは選択式の適語補充問題です。例年選択肢の数は15個で、基本的な品詞や語彙の知識があればそれほど難しいものではありません。ただし、文章の内容を理解することも必要な問題なので時間をかけすぎずに正確に読む力が試されるでしょう。長崎大の読解問題で注意したい点は、英語で答える設問が多いということです。英語で文を書く練習をしておかないと時間に余裕がなくなる可能性があるので十分な対策を行いましょう。

大問D 文法・語彙

例年大問Dは短文中の下線部の同意表現を選択する形式になっています。語彙やイディオムの知識を問うものが中心で、センター試験レベルの知識があれば対応できると思われます。よって、単語や熟語の問題集の例文をしっかり覚えてケアレスミスのないように心がけましょう。

大問E 英作文

例年大問Eは与えられたテーマに対して150語の英語で意見を述べるという形式になっています。テーマ自体は社会的なものが多く、例えば「日本の英語教育システムにどんな変更を加えたいか」、「ソーシャルメディアが生活の質を向上させてきたか」、「日本を訪問する外国人にどの都市を推薦するか」といった比較的意見を述べやすい内容です。ただし、150語と英文を書く量が多いのでしっかりとした英作文対策をする必要があります。文法や単語のミスをしないために自信をもって使える構文や英語表現をなるべく多く身に付けておくことが重要です。さらに重要なことは、テーマに沿った論理的な理由を少なくとも二つ以上具体例を挙げて述べることができるかということです。また、抽象的なテーマをどのように具体的な事柄として論じるかがポイントです。そのためには必ずあるテーマに関して自分の主張とそれを支える「理由」と「具体例」を150語程度の英文で書く練習をしましょう。

傾向と対策

長崎大は読解問題が合否を左右する部分だといえるでしょう。比較的解きやすい文法・語彙問題ではあまり点数に差は出ないと考えられます。特に読解問題の大問Bを確実に正解することが重要です。大問Bの英文は物語や会話文を含む文章である傾向があり、英語での設問にすべて英語で答えなければなりません。文法および英単語や構文の知識を十分に身に付けておくことが大切です。また、同大学の過去問の長文などを多く読み、文章の構成に慣れておきましょう。物語形式の文章が苦手な人は特に準備が必要です。英作文対策としては、自分の主張を理由と具体例を挙げて日本語でもいいので簡潔にまとめ、それから正確な文法と構文を使って表現する練習を行いましょう。

執筆者


 

松永 晶子

九州大学大学院人文科学府修士課程

大学院ではギリシャ哲学を専攻。元PMD医学部専門予備校英語講師。現在はPMDにて医学部入試問題研究や教材研究を担当。福岡通訳協会所属。翻訳家、著述家、スタンドアップコメディアンなど多彩な顔を持つ。

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