医学部受験のためにも知っておこう!コメディカルシリーズ~理学療法士~

医学部受験のためにも知っておこう!コメディカルシリーズ~理学療法士~

医師や看護師以外の医療従事者を「コメディカル」といい、その中に理学療法士と呼ばれる職業があります。理学療法士は病院や施設に配属されているリハビリの先生というイメージが強くありますが、スポーツ業界など幅広く活躍している方も多く、やりがいのある職業だと思います。また、病院で働くことができるため、魅力的に感じる方も多いと思います。今回は、理学療法士とはどのような職業なのか?理学療法士になるためにはどうすればいいのか?気になる給料についてなども分かりやすく説明していきます。

理学療法士について


理学療法士は英語で「Physical Therapist(PT)」と呼びます。理学療法士法及び作業療法士法に基づく国家資格であり、リハビリテーションチームを構成するコメディカルの一員です。ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

理学療法士を一言でいうならば「動作の専門家」です。寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。関節可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術を用いて、日常生活の自立を目指します。

理学療法士は主に病院、クリニック、介護保険関連施設等で働いています。中には専門性を生かし、プロスポーツのチームに所属している理学療法士もいます。

理学療法士になるためには、毎年2月に行われる国家試験に合格し、理学療法士の資格を取得しなければなりません。また、理学療法士国家試験の受験資格を得るためには、文部科学大臣に指定されている養成校にて定められたカリキュラムを修めて卒業する必要があります。

養成校は全国に273校(2019年9月時点)あり、専門学校(3~4年制)、短期大学(3年)、4年制大学が存在します。また特例として、既に作業療法士の資格を保持している場合は一部のカリキュラムを免除されるため、国家試験受験までの負担が軽減されます。

養成校では、1学年で基礎分野を学んでいきます。2学年からは見学実習が始まり、実際に病院などで1~2週間程度過ごします。3学年からは臨床実習が始まり、養成校によって期間が異なりますが、5~10週間病院などで過ごすことになります。

2019年2月に行われた理学療法士の国家試験合格率は、85.8%でした。理学療法士の国家試験はマーク式であり、一般問題(1問1点、155点満点)と実地問題(1問3点、117点満点)で構成されています。合格基準は2項目あり、①総得点が6割(164点)以上、②実地問題が41点以上です。この2項目の基準をクリアすることができれば資格が得られます。合格率も比較的高い水準をキープしているため、養成校で学習した内容をしっかりと身につけておけば、十分に国家試験に合格できる難易度といえます。

厚生労働省が発表した「平成29年賃金基本統計調査」によると、理学療法士の平均年収は約366万円(賞与、各種手当等含む)となりました。理学療法士の給与や年収は、医療と介護領域でも違いがありますし、事業所ごとに毎年の昇給や賞与などの金額が変わってきます。就職をする際には、支給される基本の給与額だけではなく、昇給の状況や賞与の有無などについても確認するとよいでしょう。


まとめ

  • 理学療法士は病院や施設で働くコメディカルの一員です。
  • スポーツ業界でも幅広く活躍することができます。
  • 理学療法士士なるためには養成校(3~4年)に通い、国家試験に合格する必要があります。
  • 国家試験合格率は80%を超えており、合格しやすい職業です。
  • 年収や給料については、病院や施設によって変わってきます。

 

コメディカルシリーズ

医師として働く際にはコメディカルとの協働が必要不可欠になります。コメディカルとの連携が医療の質を決めると言っても過言ではありません。コメディカルにはどんな職種があるのか、仕事の内容や活躍の場にはどんなところがあるのかを知ってもらえればと思います。医学部受験において役立つ情報となります。

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