【2020年度】九州大学医学部入試傾向の解説<英語編>

2020年度九州大学医学部入試傾向の解説<英語編>

概要

  • 大問は5問(2016年度は4問)
  • 読解3題、英作文2題 120分
  • 読解は記述式および選択式
  • 記述式では内容説明、英文和訳など
  • 英作文は意見論述、要約、和文英訳

 

設問別分析表

大問1~3 読解

九州大学では例年大問1から3までは読解問題です。読解文は特に専門的なものではなく、語彙や構文も特別に難解なものはありませんが、内容は医学、科学、社会、文化などさまざまです。

2020年度の読解文のテーマは「ブレインストーミングの有効性」、「5月の満月」、「筆記体」に関する3つで、文章自体は特に難しくありませんが、テーマ自体になじみがないと内容理解が難しく感じるものでした。よって、文法の知識に加え、基本英単語と難関国立大レベルの英単語やイディオムをしっかり身に付けることが重要です。

 

例年、大問1は日本語で問われ、大問3は英語で問われます。大問2は年度によって日本語か英語かに分かれます。解答の形式としては、記述による内容説明、英文和訳および選択式による内容一致問題、空欄補充、同意表現選択、文章挿入箇所を問うものなどがあり、文章全体の意味を理解する力に加え、設問箇所を正確に読む力が必要とされます。

2020年度の記述式の問題では、読解文の総語数は多少減少したものの記述の量が増えており、内容説明や下線部が指示している部分を日本語できちんと表現することが求められる傾向にあるといえます。また、英文和訳の問題では英文中の語が具体的に表す内容を明らかにして日本語訳を必要とするものがあるので、各文の内容のつながりをきちんと理解することが非常に重要です。

 

大問4 英作文

年度によって与えられたテーマに関する意見を英語で述べる場合と、ある程度まとまった量の英文を読んでそれに対する意見を述べる場合があります。

2019年度の設問では100語程度の英文の要約と50語程度の意見論述という形式になっていましたが、2020年度では課題文を読んで自分の意見を述べるという従来の形式に戻りました。

いずれにしても英作文の語数は100~150語程度です。テーマ自体は難しいものではありません。

例えば2020年度の課題は「理系か文系かを高校で決めることに関して」という比較的身近な内容でした。

英文を読んで意見を書く問題の場合は、英文の内容をきちんと理解する必要がありますが、あるテーマに関して書く場合も英文を読んでから意見を述べる場合も最も重要なことは、何が問われているのか、何について書かなければならないかをしっかり理解することです。

テーマや文章の内容から外れて、問われていることとは関係のないことを述べないように注意しましょう。また、文法や単語のミスをしないために自信をもって使える構文や英語表現をなるべく多く身に付けておくことが重要です。

 

大問5 英作文

例年大問5は和文英訳です。与えられた日本文の下線部の部分を英訳します。

小問数は2問で、下線部は英文1文から2文程度の長さです。九大の和文英訳の難しいところは、日本文自体が日本的な表現や言い回しを含む場合があるので、英語にする際に少し工夫が必要なところです。

例えば2020年度の問題では、「なんと言っても」という日本語表現があり、これを英語に直訳するとかなり不自然な英語になってしまいます。よって、「なんと言っても」→「何よりも、最も」と分かりやすい表現に直し、比較級、最上級の英語表現に変換します。

このような和文英訳に効果的な学習は、構文集の構文を日本語と英語を対応させながら覚えることです。また、日ごろから和文英訳の練習をしっかり行うことで、コツがつかめて英作文の基礎力が付き、結果的に大問4のような長い英語の文章を書く時の力にもつながります。

 

傾向と対策

読解問題に関しては、まずは文法および英単語やイディオムの知識を十分に身に付けておくことが大切です。

2020年度の設問の傾向からしても今後も九大の読解問題は日本語での記述力がかなり求められると予想されます。さまざまな長文を多く読み、文章全体の流れや文脈をつかむことに慣れることが重要です。

 

また、因果関係や具体例の述べられている箇所をすばやく見つける練習を行いましょう。さらに、問われている内容を日本語で説明する文章力も養いましょう。英作文に関しても、文法、単語の知識は不可欠です。

九大の英語での意見論述は語数が多いので、長い文章を書くために必要な構文、接続詞や副詞を覚えておく必要があります。

 

そして必ず事前に過去問などの英作文問題に取り組み、解答例を確認し正しい表現を学びましょう。

2020年度の読解問題の配点が増加していることを考えても、九大の入試では長文読解力と日本語での記述力に重点が置かれているといえるでしょう。

執筆者


 

松永 晶子

九州大学大学院人文科学府修士課程

大学院ではギリシャ哲学を専攻。元PMD医学部専門予備校英語講師。現在はPMDにて医学部入試問題研究や教材研究を担当。福岡通訳協会所属。翻訳家、著述家、スタンドアップコメディアンなど多彩な顔を持つ。

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