共通テストで何が変わるの?医学部受験への影響は?

共通テストで何が変わるの?医学部受験への影響は?

令和3年度の大学入試から、大学入試センター試験に代わって、共通テストが導入されます。英語外部試験採用、国語、数学の記述式問題の見送りでかえって何が変わるのか、注意してみておかないといけない状況かと思います。特に、医学科を目指す受験生は共通テストに代わっても、9割前後の高得点が要求される状況に大きな変化はないと思われます。この記事では、特に英語と国語の変更点について説明したいと思います。

英語の変更

筆記200点、リスニング50点というセンター試験の形式から、リーディング100点、リスニング100点への形式変化が注目されていますが、リーディングとリスニングの配点比率は各大学が自由に設定できるのも大きな変化点です。

2020年2月初旬現在で、全国公立大学の3割強の大学しか配点比率を発表していません。
発表している大学のうち、センター試験と同じ、4:1の比率なのが、34.8%。1:1なのが、北大や広大など30.4%、3:1が、東北大、京大、阪大など難関大学が多く14.5%となっています。東大は、7:3です。(九大は未発表)
有力大学が発表したので、今後続々と発表されると思います。
文法語法や発音の単独問題が姿を消す一方で、リスニング試験においては、従来英文が二回読まれていたのが一部の設問で一回だけの読み上げに変わります。大学によるとリスニングがリーディングと同じ割合になるので、医学科受験生は特にリスニングの対策は計画的にやる必要があります。
リーディングの問題も、分量が1.3倍になり、問題文も英語になります。図表を絡めた問題が増えたり、これまで以上に全体のテーマや主題を訊く問題、英文の内容から明らかに正しいあるいは間違っていると推測できる内容を問うような問題の出題が予想されます。今年度のセンター試験で言うと、第4問Aの問題変化が示していると思います。部分読解の正確さも引き続き問われますが、全体の要点をとらえる、論理をとらえる問題の出題が予想されます。
リスニングの対策、リーディングの新しい特徴的な問題の対策が、共通テスト元年の明暗を分けるでしょう。


国語の変更

記述式問題の出題が見送られた共通テストの国語ですが、問題の雰囲気はセンター試験と大きく変わる面があります。
共通テストのプレテストでは、現代文で

H29:高校の生徒会の部活動の規約。生徒同士の会話文とアンケート結果などの資料がついていた。
H30:著作権について書かれたポスター・著作権法の条文・著作権についての論説文

など、評論・小説以外に実用的な文章が出題されました。

共通テストの問題作成方針にも次のような記述があります。

「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」より抜粋
「どのように学ぶか」を踏まえた問題の場面設定
高等学校における「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善のメッセージ性も考慮し、授業において生徒が学習する場面や、社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータ等を基に考察する場面など、学習の過程を意識した問題の場面設定を重視する。

要するに、現代文・古文・漢文を読んで、生徒同士で話し合いながら理解を深める形の中で誰が明らかに誤ったことを話しているかを問う問題が出されたり、評論文と関係するテーマの実用的なあるいは日常で目にする文章を読ませて、つながりが理解できるかなどを問う問題の出題が見込まれます。
また、従来も出ている段落のつながりや働きを問う問題、表現の効果を問う問題などは引き続き出題されそうです。
古典においては、真新しい形の設問があるかも知れませんが、従来通り単語・文法・和歌の表現技法、漢文の句法、漢詩の知識などをまず学んでおくべきなのは変わらないと思われます。
センター試験の国語は医学科受験生にとって悩ましい科目でしたが、共通テストにおいても計画的な学習を進めつつ、センター試験から共通テストに引き継がれる傾向や、新しい予想される形式についての情報に敏感になりつつ、対策していく必要があります。

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL