医学部受験のためにも知っておこう!コメディカルシリーズ〜薬剤師について~
病院や薬局で薬の管理・調剤を行う職業として薬剤師があり、全ての患者が安心して服薬を継続するためには薬剤師の存在が必要不可欠です。薬剤師の仕事内容や仕事場所、薬剤師になるまでの流れについて解説します。気になる薬剤師の年収事情についても記載しているため、薬剤師を目指している方は必見です。
薬剤師について
薬剤師は病気の治療や日常生活における健康維持に欠かせない薬剤を扱う専門職です。薬局や病院で処方箋に基づく調剤や患者への服薬管理を行うほか、医療用医薬品から一般医薬品まで、全ての薬を販売することや相談に乗ることができます。また、薬局や病院で調剤に携わるだけでなく、学校での環境衛生管理や医薬品の研究開発、製造に関与している薬剤師もいます。
薬剤師の仕事場所は調剤薬局や病院、ドラッグストアなどがあります。主な仕事内容としては医薬品の調剤や製造になります。また、製造企業や行政機関で働く薬剤師も存在し、新薬の効き目や安全性の確認、麻薬・薬物などの行政指導を行っています。
薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格して免許を取得する必要があります。国家試験の受験資格を得るためのルートは大きく分けて2つあります。2006年4月1日の入学者から、学校教育法・薬剤師法の改正により、薬剤師養成のための薬学教育は、学部の修業年限が4年から6年に延長されました。同時に創薬研究・開発など、多様な分野に進む人材を育成するための4年制学部・学科も新たに設置されました。薬学部6年制は、薬剤師の育成を目的としたコースです。6年制の薬学課程を卒業することで、薬剤師国家試験の受験資格が得られます。大学は私立と国公立に分かれており、私立大学の学費は6年間で1000万円~1200万円程度、国公立大学の学費は6年間で350万円~400万円程度です。そのため、国公立大学のほうが、入学希望者が多く難易度も高い傾向にあります。薬学部4年制は。薬剤の研究・開発分野を含む多様な人材の育成を目的としてコースです。卒業するだけでは、薬剤師国家試験の受験資格は得られません。2017年度までの入学者に限り、卒業後に大学院で2年間必要な科目や単位を修得した場合は厚生労働大臣の個別審査対象となり、国家試験受験の可否が決定されます。
薬剤師の国家試験は必須問題90問、一般問題255問の計345問。配点は1問2点の計690点満点です。試験は2日間に分けて実施され、長丁場になるため体調を万全に整えたり、模擬試験で時間配分をつかんだりする対策が必要となりそうです。合格基準は690点満点中450点以上となっています。2019年度薬剤師国家試験の合格率は70.9%であり、努力して勉強することで合格できるレベルであると思われます。
厚生労働省が発表した「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、2017年の薬剤師の平均年収は男性が約575万円、女性が約526万円となりました。年代別の平均年収では、40代男性が704万円ともっとも高く、20代男性の408万円がもっとも低い結果となっています。
薬局・医療施設で働く薬剤師数の年次推移では、薬剤の数は毎年増加傾向にあり、2019年に実施された「薬剤師国家試験」では、3年ぶりに合格者数が1万人を超えました。また、薬剤師の男女比率は約4:6となっており、女性の比率が高いという特徴があります。多様な働き方や職場が選べることもあり、女性に人気の職業となっているようです。高齢者の増加をはじめとした社会環境の変化により、薬剤師の役割・活躍の場所も広がりをみせています。厚生労働省は、要介護度の高い方が住み慣れた地域で療養できるように、「外来医療」「入院医療」に次ぐ第3の医療として「在宅医療」を推進しています。例えば、「訪問看護」の現場に薬剤師が同行して薬剤管理指導を行うなど、病院や薬局以外の場所で薬剤師が活躍するケースは、今後も増えていくことになると思われます。
まとめ
- 薬剤師は医師の処方箋に基づく調剤や服薬指導、医薬品の管理・販売を行います。
- 仕事場所は薬局や病院、ドラッグストアや製造企業、行政機関など様々です。
- 薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格して免許を取得する必要があります。
- 国家試験の受験資格を得るためのルートは大きく分けて2つあります。
- 国家試験は2日間に分けて実施され、2019年度の合格率は70.9%です。
- 薬剤師の平均年収は男性が約575万円、女性が約526万円です。
- 薬剤師の男女比率は約4:6であり、女性に人気の職業です。
- 薬剤師の数は年々増加傾向にあり、将来性も高い職業です。
コメディカルシリーズ
医師として働く際にはコメディカルとの協働が必要不可欠になります。コメディカルとの連携が医療の質を決めると言っても過言ではありません。コメディカルにはどんな職種があるのか、仕事の内容や活躍の場にはどんなところがあるのかを知ってもらえればと思います。医学部受験において役立つ情報となります。
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。