2020年度九州大学医学部入試問題の傾向分析〈物理編〉

2020九大物理分析

概要

  • 大問は3問
  • 解答時間は75分
  • 作図問題が2つ 論述問題が2つ出題された。

設問別分析

大問1(単振動する台とその上に乗る物体の運動)

問一(4)までは台と物体がすべらずに一体となって運動する場合を考える。
運動方程式の立式→単振動の振幅と周期の導出で、単振動の公式(周期など)を覚えていれば難しくない問題である。

問ニからは、台は単振動、物体は等加速度運動をし、ニ物体が別々の運動をする場合を考える。それぞれ運動方程式の立式→台の単振動の振幅と周期を求めるという問一と同じ流れである。
(5)はv-tグラフの作図問題で、台が単振動をして三角関数の曲線を描くこと、物体の速度グラフは直線を描くことがわかれば作図は難しくない。
(7)は台と物体が一緒の速度になったときと、バネがBだけ縮んだ二点の力学的エネルギー保存を立式してBを求める問題だが、計算が煩雑になり答えを出すことが少し難しい。

大問2(コンデンサと誘電体の挿入)

(1)と(2)は電荷と静電ネルギーの公式を覚えていれば答えることができる。
(3)からは誘電体を挿入する。(4)は作図問題であるが、グラフ自体は導体と絶縁体の性質がわかっていればすぐに描けるが、軸の値を求めるのが少し面倒である。
(5)は誘電体を挿入した際の仕事やエネルギーを求める問題であるが、外力のした仕事=内部エネルギーの変化という関係が分かっているかということが重要である。
(10)は誘電体の左端の位置の変化のグラフを求める問題であるが、位置の変化が三角関数ではなく二次関数の繰り返しとなることに気づけるがポイントである。運動方程式を立式することによりそれがわかる。

 

大問3(ヤングの実験)

教科書に載っているヤングの実験を題材にした問題である。
問一は人名を答える問題。
問ニは実験においての値の精度についての問題。
実験値の測定値の精度についての問題であるが、前提知識を必要としないので回答しやすい。
問三~問五はヤングの実験についての問題である。
スクリーンで暗線が観測される条件など、典型問題で、回答しやすいといえる。

2020九大物理分析

傾向と対策

2020年度九州大学医学部の物理は問題文の量が多く、読み取るのに時間がかかってしまった受験生が多いと考えられる。しかし、問われていることは全問題において、入試における基本の事柄であったり法則であったりするので、満点をとることは難しいが、確実に得点できるところは落とさずにしておきたいところである。
次年度以降の対策としては、教科書に載っている例題などを完全に理解するまで解くことが必要であると言える。その後、入試の標準的な問題を問題集などで解いて補うことが合格への必要な対策であると言える。

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