2021年度医学部入試小論文編～医学部受験の基礎知識

医学部合格を目指した学習では、数学・理科という理系科目を重視しがちです。文系科目については、英語の学習を行う程度という人も多いでしょう。しかし、私立医学部入試における頻出科目の1つに小論文があります。共通テスト対策として国語を勉強する場合でも、記述練習の機会は稀です。小論文対策を丁寧に行い、本番で書き方に戸惑うことの無いようにしてください。

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医学部入試小論文の形式やテーマとは？

医学部入試小論文の形式は、与えられたテーマや課題文に沿って、800字程度で論述するものが一般的です。課題文がある場合は内容の読み取りも重要ですが、内容に関する予備知識がないと解答が難しくなってしまいます。課題文がなく、テーマが与えられる形式の小論文では、より一層自分の知識が問われやすいです。
字数は800字程度が一般的で制限時間にも余裕がある大学が多く、焦って記述する必要はありません。しかし、過去問などで書く練習をしておかないと、800字のイメージがつかみづらく、下書きをしても字数が多すぎたり、少なすぎたりしかねません。受験校の入試に小論文がある場合は、最低1度は過去問を解いておくようにしましょう。
テーマについては、医学部入試ということでやはり医療系のものが多いです。医療系のニュースについては普段から興味を持って接するとともに、自分なりの意見を持つようにしましょう。身近な人に対して意見を伝えたり、聞いたりする習慣をつけておくと、小論文テーマ集などを読むのにかかる時間を短縮できます。

小論文の配点が高い大学例

私立医学部入試の定番ともいえる小論文ですが、配点は全体の10％未満などそれほど高くない場合もあります。しかし、英語や数学のテストが易しめで差がつきにくい私立医学部地域枠推薦入試や、小論文の配点が高い医学部では重点的に対策をしておくのが基本です。
私立医学部では小論文が実施されることが多いですが、配点がやや高めの大学としては金沢医科大学が挙げられます。金沢医科大学では、一般入試前期・一般入試後期ともに小論文に60点が配点されています。一般入試前期でも総点460点に対して約13％とやや高めの配点ですが、一般入試後期だと総点が260点なので小論文の配点は20％以上にもなります。さすがに英語や数学と比べれば配点は少なめですが、金沢医科大学を受験する場合は小論文対策にも力を入れたいところです。

福岡大学医学部なら小論文が苦手な医学部受験生も安心

小論文の対策をしても記述に苦手意識があったり、自分なりの意見を考え出すのに時間がかかったりする医学部受験生もいるでしょう。小論文は医学部受験において課されやすい科目のため、極力苦手を克服することをおすすめします。しかし、どうしても小論文が苦手という場合は、小論文の影響が小さそうな医学部を受けるのも一案です。
例えば、福岡大学医学部の地域枠推薦入試では、小論文の試験がありません。小論文が苦手でも合否への影響はないと言えるでしょう。また、福岡大学医学部一般入試では、小論文は1次試験で実施されます。2次試験に小論文はなく、面接の材料として活用される仕組みです。私立医学部受験では、1次試験に合格したのに2次試験で不合格になると、日程を多く取られてしまいます。1次合格となれば2次では小論文を受けなくてよい点は、小論文が苦手な受験生にとっては大きなメリットです。
また、国立医学部では小論文の試験自体がない場合が多いです。共通テストを受ける必要があるため国語から完全に逃れるのは難しいですが、記述に苦手意識がある医学部受験生は、国立医学部を狙うのも1つの方法と考えておきましょう。

2021年度医学部入試小論文の対策とは？

2021年度医学部入試小論文の対策は、臨時休校などで学校や塾のスケジュールが混乱気味の中、後回しになってしまうかもしれません。確かに、添削してくれる先生がいなければ、小論文の過去問に取り組んでも出来がわかりづらいでしょう。しかし、小論文の頻出テーマなどについて知識を深めることは自宅でも可能です。自宅学習の際に、月に数回でも構わないので小論文の学習を取り入れてみてください。
また、毎年頻出のテーマに加えて、新型コロナウイルスに関する出題も考えられます。ウイルスの性質はもちろん、日本や諸外国の感染防止対策などについても述べられるようにしておくと安心です。入試が本格化する冬シーズンにコロナウイルスが再拡大する可能性も踏まえ、夏～秋の早めの段階で添削指導を多く受けておくことも良い準備になるでしょう。