オンライン診療の導入加速と医師に求められるスキル

医療の現場でもIT機器の活用が進んできています。また、新型コロナウイルス感染拡大を受けてオンライン診療導入も加速することが見込まれます。そこで、オンライン診療が普及に向かう中で、医師に求められるスキルがどう変化するのかを見ていきましょう。医学部選びの際にも、オンライン診療に対応できるスキルを身につけやすい大学はどこかという視点も必要になってきます。

 

 

新型コロナウイルス感染予防もオンライン診療導入を後押し

 

新型コロナウイルスの終息に時間がかかる中、感染リスクを避けるために医療機関の受診を控える動きが出ています。また、感染症患者を診察する場合、医師をはじめとする医療従事者の感染リスクを抑えることも重要です。そのため、従来から僻地医療の維持などの目的でも検討されていたオンライン診療の導入が加速すると考えられます。

医師と直接対面せずに診察を受けるとなると、患者はもちろん、医療従事者の側にも戸惑いがあることと思います。しかし、少子高齢化が進む中で過疎地の医療を維持したり、今後も新たに発生しうる感染症から医療従事者を守ったりするうえで、オンライン診療の普及は不可欠と言えるでしょう。菅総理のもとで政府がデジタル庁の設置を検討するなど、オンライン化が推進されている点も追い風になりそうです。

 

 

オンライン診療で医師に求められるスキルとは

 

オンライン診療が本格化すれば、医師に求められるスキルにはどのような変化が生じるのでしょうか。対面で診察や治療を行う場合、患者の顔色や息遣いなどを的確に把握しやすいです。オンラインでも表情などをうかがうことは可能ですが、対面の場合と比べると得られる情報は少なくなると考えられます。

そこで、患者との対話などを通じて、病状などをより丁寧に聞き出す力が求められます。患者にただ話させるだけでなく、必要に応じて質問を投げかけるなどしてコミュニケーションをより多くとる姿勢が必要です。医師が目の前にいないことによって、患者が不安を覚える可能性もあります。安心して医療サービスを受けてもらうためにも、コミュニケーション力の重要性がさらに高まるのではないでしょうか。

また、IT機器を使いこなすことも大切です。オンライン診療では、機器の操作等に慣れていないと、診察が途切れるなどの懸念が高まります。体調の悪い患者を診察する場合などは、できるだけ手早く済ませることも重要です。IT機器をうまく使いこなせるスキルも必要になります。

 

 

 

幅広いスキルを身につけられる医学部を目指したい

 

医師がオンライン診療への対応も求められることになると、必要なスキルの幅は広がります。そのため、医学部選びの段階で、幅広いスキルを身につけられる大学を選びたいところです。

例えば、IT機器を使うスキルを高めるためには、情報関連の授業が充実している大学を選ぶ方法があります。多くの学生が集うキャンパスを抱える総合大学で、豊富な設備を活用するのも一案です。医学部が他学部と同じか、近接するキャンパスにある場合には大学全体の設備を利用しやすくなります。単科大学など規模の小さい大学を選ぶ場合は、情報機器などの設備が十分に充実しているかもチェックしてみましょう。

他にも、既に離島などの僻地医療に取り組んでいる医学部も視野に入れてみましょう。制約が多い中で医療サービスを提供する練習を在学中に行っておけば、卒業後に様々な形の診療に対応しやすくなります。医師国家試験に合格するための勉強だけでなく、医師として幅広いスキルを身につけて、時代の変化に適応しながら長く活躍できる土台作りを医学部在学中にできることが望まれます。

 

 

 

まとめ

オンライン診療の普及は加速する見込み

対話力の重要性が増す

IT機器を使いこなすスキルも大切に

 

 

 

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