2019年度熊本大学医学部入試傾向の解説<化学編>

2020年度熊本大学医学部入試傾向の解説<化学編>

概要

・大問は4問
・理科2科目(化学+物理or生物)合わせて120分
・一般的な記述式回答

設問別分析表

大問1 無機化学

熊本大の前半2題は無機化学と理論化学が出題されます。大問1は無機化学が出題される傾向にあります。基本的には穴埋め問題などの知識が問われる問題が中心で、1問程度基本的な酸塩基や酸化還元と絡めた計算問題が出題される程度です。難易度自体は高くありません。しかし、各論のみならず工業製法など知識は幅広く出題されているので、無機化学全範囲をまずはざっくりと抑えておく必要があります。

大問2 理論化学

幅広い範囲から計算問題が毎年出題されています。しかし、中和や酸化還元といった範囲が丸々1つの大問になっている年もあるので、他の難関医学部と合わせて対策していれば難易度は高くないはずです。計算が複雑になる平衡や反応速度もあまり出題されていないので、理論化学は有機化学や無機化学ほど対策する時間は割かなくてもいいかもしれません

大問3 有機化学

大問3では決まって脂肪族もしくは芳香族に関する問題が出題されています。メインが必ずしも構造決定の問題ではありませんが、必ず小問等で出題されるので、標準的な構造決定の対策は必ず行なってください。難易度も高くないため、理科の試験時間が始まった時には化学の大問3から始めて、きっちり点数を取りに行くのも有効な作戦の一つです。

大問4 天然物・高分子

以前は大問3で構造決定が出題されていて、最後に数問出題されていた天然物・高分子分野ですが、ここ3年ほどは独立した大問で出題されています。他の大問と比べても難易度は標準的ですが、学校等で最後に学習する分野なので対策が不十分な受験生が多いです。範囲自体は他と比べて狭いので、短期間で集中的に学習して得意分野にしておきましょう。

傾向と対策

熊本大は過去3年間は4問で出題されており、今年もこの傾向が続くことが予想されます。全般的に知識問題が多く、特に後半2題は正確に知識をインプットしておく必要があります。難易度は、熊本大の他の理系学部と共通問題であるため、医学部基準ではかなり易しい部類に入ると思います。標準的な問題集で全分野を網羅した後は、医学部独自出題である英語や数学に対策する時間を回したほうが得策かもしれません。
試験時間は物理もしくは生物と合わせて120分なので、自分の中でどの科目のどの大問から解き始めるか、過去問を用いて予行練習しておきましょう。

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