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医学部受験の現状。厳しい社会情勢を背景に、、

様々な要因で医学部受験が以前よりも難関に
平成20年(2008年)のリーマンショックに発した世界規模の金融危機以降、就きたい職業として公務員のような安定した仕事や、資格を必要とする職業の人気がより強まりました。また2025年問題(令和7年)といわれる団塊の世代が後期高齢者になることによって医療費の増大が懸念される中、医師の需要も高まってくることが予想されています。
医学部は安定した将来を感じさせる学部であったが
平成30年(2018年)におきた東京医科大学での問題から、医師の働き方改革の議論にまで広がりました。そうした影響からか平成31年(2019年)より私立医学部の受験者の延べ人数は大幅な減少傾向にあります。令和2年(2020年)の国立医学部医学科全体の志願者は国公立前期、後期合わせて20869名で平成31年(2019年)の24212名から−3343名(−13.8%減)となりました。
私立医学部でも最終的に判明していない大学が5校ありますが(令和2年5月31日現在)、こちらも今のところ2年続けて昨対で大幅に減少する見込みです。
学費においては、私立医学部は他のどの学部と比較しても大変高額となっています。そのため国公立医学部に医師志望の学生が入学して、私立医学部では偏差値が大幅に下がることが予想されます。この流れが、しいては国家試験の合格率に大きな影響を及ぼすことになるかもしれません。

医師としての資質を判断される試験に

現場で直接人と接する医師という職業柄、その資質の可否を判断する為医学部受験に小論文を採用している大学も数多くあります。
面接に関しては、これまで全国の医学部で唯一実施していなかった九州大学も令和2年度(2020年度)の入試より面接を課すこととなりました。

学科試験科目も大学によって違いがあります。九州大学の個別試験においては、理科で化学と物理が必須となっております。

国公立医学部受験の多くが個別試験の学科において英語、数学、理科2科目を課すのに対して、島根大学医学部や宮崎大学医学部のように英語、数学の2科目だけの大学もあります。

私立医学部受験でも上記4科目がほとんどですが、東海大学医学部は理科1科目の合計3科目、帝京大学医学部は英語が必須で、数学、理科3科目、国語から2科目選択の合計3科目の入試となっています。昭和大学では令和3年から必須だった数学が、国語との選択となりました。

科目だけではなく、試験問題にも大学が求める学生像が反映されています。

大学によって求められる資質は異なっていますので、適切な医学部受験情報を仕入れ志望校に応じた対策を講じる事が医学部受験合格への近道となることでしょう。

国公立大学医学部、私立大学医学部の定員について

一時期まで需要と供給のバランスを図る為、平成9年(1997年)閣議決定により医学部の入学定員を7625人に抑制することとなりました。その後平成16年(2004年)に始まった新研修医制度

( 厚生労働省ホームページ 新制度創設までの経緯 )

により地域による医師の偏在、診療科目による医師の偏在が深刻となり、平成20年(2008年)から医学部の定員増が始まりました。平成22年(2010年)から平成30年(2018年)までは緊急医師確保対策の臨時定員317人も含めて9420名まで定員が増えました。令和2年(2020年)からは臨時定員枠から90名減らして9330人となることが発表されました。

結果的に新研修医制度の下では、定員を増やしても医師の偏在の問題に対しては効果は限定的でした。その対応策として従前の地域枠に加え、平成30年(2018年)から始まった専攻医制度

( 厚生労働省ホームページ 2020年度専門研修プログラムに対する厚生労働大臣からの意見・要請案 )

で、医師を市中の病院に派遣することにより地域の医師不足を解消することが期待されています。