2021年度私立医学部共通テスト(センター試験)利用について

私立医学部共通テスト(センター試験)利用について
大学入試共通テストの結果を合否判定に利用する入試は、私立医学部でも約半数の大学で取り入れられています。
必要な科目数や募集定員、倍率等の基本情報と、共通テスト利用のメリットとデメリットを概観しましょう。

私立医学部入試での共通テスト利用とは

私立医学部入試での共通テスト利用とは、入試の学力検査を大学入学共通テストの結果で行う入試です。私立医学部の約半数で実施されています。

医学部では2021年度から始まる共通テストの他、大学ごとに面接と小論文を課されることが多いですが、面接だけの大学や、学力試験の上面接と小論文に進む大学もあります。

 

定員や倍率、必要科目

募集定員は10人~20人のことが多く、倍率は一般入試より高い数十倍に達します。合格のボーダーラインも得点率が9割前後となっており、競争率の高い入試となります。

共通テストの必要科目や配点は大学によって、または同じ大学でも方式により異なります。PMDでは、大きく以下の3型に分類しています。

[詳細はPMD私立医学部入試資料、2020年度_私立医学部センター利用入試科目一覧]

・Ⅰ型<3教科>:英数理理
獨協医科大学、杏林大学、東海大学、近畿大学(3方式)、帝京大学

・Ⅱ型<4~5教科、国語は現国のみ>:英数国理理(社)
埼玉医科大学、愛知医科大学、関西医科大学、福岡大学

・Ⅲ型<5教科>:英数国理理社
日本医科大学、昭和大学、東京医科大学、藤田医科大学、順天堂大学(3方式)、大阪医科大学、産業医科大学、国際医療福祉大学

Ⅰ型の中には、合計必要教科数は3教科で変わらないものの、国数選択(近畿大学医学部C方式中期)と国数理から2科目選択(近大医学部C方式後期、帝京大学医学部)という例外もあります。
Ⅱ型に掲載の5校は、国語が現代国語のみです。社会も必要なのは埼玉医科大学医学部センター利用後期と関西医科大学医学部一般・センター併用の2形式のみです。

 

共通テスト利用の特殊なもの

私立医学部の共通テスト利用では、共通テストと小論文、面接で合否が決まる形が一般的ですが、その他のパターンもあります。

共通テスト利用の一般的パターンに当てはまるものの、様式が細分化されているのが近畿大学C方式です。資料にある通り、前期の3教科4科目(英数理理)、中期の3教科4科目(英、数/現国、理理)、後期の英語と2科目(数/現国/理/理)と3種類あり、非常に選択の幅が広く用意されています。後期ならば最低2教科で済む場合すらあります。

順天堂大学、産業医科大学、近畿大学A方式は共通テストと一般入試の併用式で、共通テストと学力試験両方の受験が必要になります。

AO入試の中には、共通テストの成績を以て学力検査とする大学もあります。共通テスト利用を検討する時には、自分がAO入試の出願要件に該当するかも確認してみると良いでしょう。

 

共通テスト利用入試のメリットとデメリット

共通テスト利用の受験生にとってのメリットとデメリットは何でしょうか。

・メリット
第一のメリットは、一回の共通テスト受験で複数の大学の学力試験が済ませられることです。特に国立大学を受験する受験生は共通テストを必ず受験しているでしょうから、一般入試の対策不要で私立医学部を受験できることになります。また、一次試験分の受験料、交通費、宿泊費が不要になり、時間や費用面でも助かります。

第二のメリットとしては、一般入試との併願が可能なので受験のチャンスが一回増えることです。入試に挑めるチャンスが多ければ、合格を掴むチャンスもそれだけ増えると言えます。

・デメリット
デメリットは、共通テストの受験が一回勝負であることです。失敗すると、共通テスト利用枠全ての受験に響きます。共通テスト利用だけで受験するつもりの大学ならば、出願を諦めることすらあり得ます。
私立大学のみの受験生が共通テストだけのために国語や社会科の対策をしなければならない場合、負担に感じることもあるでしょう。

私立医学部共通テスト(センター試験)利用について

まとめ

  • 共通テスト利用では、学力試験に共通テストの結果を利用
  • 私立医学部の約半数で実施
  • 定員は10~20名で、倍率は一般入試より高い
  • 共通試験で失敗してしまうと挽回が難しく、大きく計画が狂う可能性

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