2021年度国立医学部学校推薦型選抜、総合型選抜について~医学部受験の基礎知識

国立医学部入試は一般入試が中心です。しかし、定員こそ限られるものの学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(AO入試)を実施している大学も多く見られ、あわせて受験することで合格のチャンスを増やすことができます。2020年度の実施大学も参考にしながら、2021年度国立医学部学校推薦型選抜(推薦入試)、総合型選抜(AO入試)の代表的な科目や対策をチェックしておきましょう。

 

*新型コロナウィルスの感染拡大の懸念から2020年5月14日文科省から国公私立大学長に向けて

「令和3年度大学入学者選抜(総合型選抜・学校推薦型選抜)における配慮事項について」

が通知されました。

https://www.mext.go.jp/content/20200514-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf

「オンライン面接」の利用などについて書いてありますのでチェックしておいて下さい。

 

国立医学部学校推薦型選抜(推薦入試)、総合型選抜(AO入試)の代表的な科目とは?

国立医学部の学校推薦型選抜、総合型選抜では、基本的に書類審査に加えて、小論文や面接が課せられます。また、共通テスト(旧センター試験)で5教科7科目など、多くの科目の受験が求められる医学部が多いです。そのため、勉強する科目数を減らすことを目的として学校推薦型選抜や総合型選抜を選ぶことは避けた方が良いでしょう。むしろ、どの科目も基本的な問題については万遍なく得点する力がある受験生に適しています。
また、国立医学部の学校推薦型選抜や総合型選抜では、評定平均が4.3以上など、高校での成績について出願資格が厳しく設定されているケースが多いです。推薦入試で国立医学部を狙いたい場合は、高校での定期テスト対策を丁寧に行うほか、提出物などにも欠かさず取り組んで評定を高めておきましょう。成績が微妙な場合は、せっかく対策をしても出願資格を満たさないリスクがあります。そのため、担任の先生などに自分の評定値を早めに確認しておくことをおすすめします。

 

国立医学部学校推薦型選抜、総合型選抜が実施される大学の例

国立医学部学校推薦型選抜や総合型選抜は、多数の大学で実施されています。学校推薦型選抜は山口大学佐賀大学熊本大学など実施大学が特に多いです。一般入試での受験を予定している医学部受験生も、推薦入試も受けることで合格可能性を高められないか入試情報をチェックしてみてください。総合型選抜は学校推薦型選抜と比べると数が限られますが、旭川医科大学大分大学広島大学などでチャンスがあります。
総合型選抜を実施している大分大学では、2020年度に前期一般入試の定員65名と比べると少ないものの、地域枠13名を含む35名を定員とする総合型選抜が実施されました。志望大学で総合型選抜の定員が比較的多めの場合は、共通テストや小論文の対策を入念に行って本命入試と位置付けても良いでしょう。
2020年度に推薦入試を実施した佐賀大学医学部では、一般枠20名、佐賀県枠18名、長崎県枠1名の定員で行われました。佐賀大学のように、大学が立地する都道府県以外にも地域を限定した枠が設けられている場合があります。自分の高校や、卒業した小中学校の立地地域の周辺にある国立医学部の情報を確認しておいてください。

 

2021年度国立医学部学校推薦型選抜、総合型選抜の変更点

2021年度国立医学部学校推薦型選抜や総合型選抜では、既にいくつかの変更が発表されています。
まず、山口大学では、推薦入試の定員が37名から42名に増員されます。出願が集中する可能性もありますが、定員が増えることで合格チャンスが広がる可能性もあると考えておきましょう。
また、香川大学では県民医療推進枠5名を含む25名を定員とする推薦入試がありましたが、2021年度は前期一般入試の定員増に振り向けられて消滅します。
一方、琉球大学医学部では、推薦Ⅱの募集人員が5名から17名に大幅増となります。調査書や共通テスト、小論文に自信がある医学部受験生は、積極的にチャレンジするのも一案です。

 

国立医学部学校推薦型選抜、総合型選抜の面接対策は?

国立医学部学校推薦型選抜、総合型選抜では、大学独自の試験科目が少ないため、面接や小論文の対策は特にしっかり行う必要があります。
面接対策としては、大学のアドミッションポリシーを確認したり、医師の志望動機を明確にしたりしておくと良いでしょう。大学の志望動機については、ありきたりな理由を並べるのではなく、「○○大学医学部でなければならない」理由を準備すべきです。
また、自分の長所や短所についても問われることが多いです。塾や予備校などで模擬面接を受けるなどして、長所を活かした場面や短所の改善方法などもスムーズに伝えられるようにしましょう。
面接では調査書や小論文の記載内容が登場することもあり得ます。調査書については、自分の高校生活を振り返っておくと話題に上った際に応答しやすいです。小論文については、問題や自分の解答を、過去問や併願校のものと混同しないように整理しておくことが求められます。

 

 

国立医学部学校推薦型選抜、総合型選抜の共通テスト対策は?

国立医学部の学校推薦型選抜、総合型選抜に合格するためには、共通テスト対策も重要です。共通テストは旧センター試験と同様に、あくまでも教科書レベルの内容が出題されます。そのため、各科目について基本的な問題を確実に解けるようにしておくことが大切です。
現役生の場合は、学校推薦型選抜や総合型選抜の出願に必要な評定平均を確保すべく、定期テスト対策を行う中で共通テストの得点力も磨くことができます。高校の定期テストが共通テストのレベルや傾向と大きく異なる科目がある場合は、共通テストの模擬問題集などで練習しておきましょう。浪人生については、旧センター試験対策に加えて、共通テストの試行問題に登場した新傾向の問題などをチェックしておくといいでしょう。

 

 

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