【2020年度】熊本大学医学部入試傾向の解説<数学編>

2020年度熊本大学医学部入試傾向の解説<数学編>

概要

  • 大問は4問
  • 解答時間は120分
  • 記述形式
  • 医学部のみの問題は大問1、大問3の一部、大問4

設問別分析表

大問1(数学IIIの微分積分)

すべて媒介変数表示で表された曲線についての問題である。
(1)それぞれの座標が最大になる点を求める問題。
(2)接線を求める問題。
(3)曲線で囲まれた部分の面積を求める問題。完答できる。

大問2(複素数平面)

(1)2つの面積の比を求める問題。
(2) (1)を利用して面積を求める問題。
(3)三角形の面積の最大最小を求める問題。典型題であり完答したい。

大問3(整数)

(1)割ったときの余りを証明する問題。有名な問題。
(2)条件を満たす整数が存在しないことを示す問題。(1)がヒントとなっている。

大問4(格子点と極限)

(1) 格子点の個数が満たす不等式を示す問題。格子点の典型題。
(2) 極限の問題。(1)よりはさみうちの定理を利用する。
(3) 不等式を示す問題。知っておかないと差がつくような問題で難しかった。

傾向と対策

今年は医学部のみの問題は大問1、大問3の一部、大問4で昨年と難易度は変わらない問題構成であった。難易度は昨年並。第4問の(3)以外は出来るだけ得点しておきたい問題である。

第1問は数学IIIの媒介変数表示で表された曲線の典型的な問題。完答したい。
第2問は複素数平面の典型題で完答したい。複素数を文字で表すと計算が大変になる。必ず解法は確認しておきたい。
第3問は整数問題。標準レベルで確実に得点したいが完答できただろうか。論述の力が試される問題。
第4問は格子点の典型題であり(1)(2)は典型題であるからしっかりと得点したい。(3)は解法を知っていないと難しかった。ぜひ演習しておいてほしい。

頻出の分野は、数学IIIの微分積分と複素数平面をはじめ、確率、図形と方程式、ベクトルなどである。対策をするうえで、分野により偏りがあるように感じるが、これまで出題が少なかった問題も出題されることがあるので、対策は幅広くやっておきたい。今年は整数問題の証明問題も出題されており論述力も必要となっている。ここ数年取りこぼすと差がつきやすい問題が多く出題されている。合格するためには必ず得点しておきたい問題であり解法の選択をはじめ正確な計算力も必要とされる。あらゆる分野で標準的な問題を中心に演習を数多くこなし、やや難易度の高い問題も演習しておくなど対策をしておきたい。

 

大学受験「数学専門ゼミナール」
堀川 真吾


熊本県立済々黌高等学校九州大学理学部数学科卒業。

私立高校の教員を12年間勤めた後、大学受験「数学専門ゼミナール」を設立。 九州大学医学部京都府立医科大学高知大学医学部産業医科大学福岡大学医学部久留米大学医学部など医学部指導実績多数。

大学受験『数学専門ゼミナール』(2019年開校)
福岡市早良区西新2丁目10番1号西新パレス内

092-406-8095

HP: https://mathzemi.com

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