【2020年度】久留米大学医学部入試傾向の解説<生物編>

2020久留米大学-生物-傾向と対策

 

概要

・大問は4問

・解答時間は理科2科目で120分

・短めの論述問題が4つ。

・合格ボーダーは8割

 

設問別分析

大問1(免疫)

易しい問題。問2、4の論述も基本的な内容で落とせない。逆転写はやや発展寄りだが基本的なことしか問われていないので全て答えたい。

 

大問2(血液量調節とホルモン)

大問1と同じく易しい問題で用語は落とせない。問3、4の論述も基本的な内容となっている。コンパクトに言葉をまとめられるようにしたい。ペプチドホルモンと、脂溶性ホルモンの機構の違いは医学部的な問題として頻出なので必ず押さえておくこと。この問題は演習の差が出やすい。

 

大問3(タンパク質と分泌)

新しく教科書に載った分野で、出題頻度は割と高く押さえておきたい。

問2のタンパク質が折りたたまれる過程(フォールディング)は教科書外にはなるが、それ以外は標準的な内容となっている。問3のタンパク質の凝集とアルツハイマー型の関係性については医学部を目指す人間の一般知識として知っておきたい。

 

大問4(神経系)

問1の8脳梁以外は基本的な知識を問いている。問2は医学部的な問題として押さえなければならない分野で参考書や資料集を活用し、きっちり記憶しておくこと。この分野は差が出やすい。

 

傾向と対策

例年大問は4題。標準的な知識問題が多く、生物用語を正確に理解して使いこなせることが重要となる。知識の抜けはないように徹底したい。点差が付きにくいことが予想されるので、ミスに気を付けることが重要となる。論述は字数指定がしっかりしており、重要な点はどこか考えながら学習をしたい。少し古いのが気になるが、『生物用語集』(駿台受験シリーズ)は生物用語の理解と記述力を付ける上で役に立つ。

出題傾向から新規に範囲となった部分を出題することが多く、そのようなところは生物用集には掲載されていない。教科書に載っていて生物用語集に載っていない単語は重点的に押さえておくべきところになる(少なくとも用語は書けるように)。判断が受験生はつきにくく、扱う問題も少ないので、新しく入った分野は具体的にどこか先生に聞くのが良い。医学部らしい体内環境、遺伝情報の問題が多く、一方で生態、進化系統の分野からも出題されることはある。遺伝の分野でメンデル遺伝が狭まったぶん、ハーディーワインベルグの法則は頻出となっている。

 

全体的な難易度は標準的にはなるが、新規の分野の問題として結果的に点を取りにくいやや難と見受けられるところもある。しかしながら、一定レベルの知識の完成ができた受験生にとっては点数を取りやすく、点数を落とさないほうが重要となる。

同時に受験する化学は年度によってぶれが大きいため、時間を意識して当日は解きたい。

 

2020年度に関して言えば例年あった計算問題がなくなっている。また80~100字といった論述問題が1、2題出ていたがそれも20字前後の短いものとなっており傾向が変わっている。合格ボーダーは8割といったところで今年はいつも以上に差が付きにくい問題内容であった。ただし、新しい出題内容がやや東京書籍の教科書に偏っており、点が取れる人はかなり高得点を取ったものとみられる。医学部的な問題範囲に関しては図説レベルの知識を入れたい。

執筆者


 

岡竜一(おかりゅういち)


愛媛県出身。
北海道大学大学院生命科学院生命科学専攻博士課程修了。理学博士(生命科学)。
北海道大学学部生時代より個別指導、予備校での個人指導、集団授業を担当。中学生から社会人(医学部学士編入)まで年齢・難易度問わず幅広く指導する。
趣味は科学全般、読書、自然観察など。

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