2021年度医学部入試面接編～医学部受験の基礎知識

医学部入試では、医師を目指す人物として適切かどうか等を判断する材料として面接が実施されます。英語や数学、理科などの学科試験に比べて、面接の対策は後回しになりがちです。しかし、面接対策を丁寧に行わないと、私立医学部の1次試験は通っても2次で不合格を重ねてしまうといったこともあり得ます。国立医学部でも面接の配点が高い大学が見られます。医学部入試面接のパターンや対策も踏まえて、2021年度入試で医学部合格を目指しましょう。

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面接の形式には個人面接とグループ面接がある

医学部面接の形式を大きく2つに分けると、個人面接とグループ面接があります。
個人面接は、数人程度の面接官を相手に、受験生が1人ずつ面接を受ける形式が基本です。医師や大学の志望動機の他、最新の医療テーマや自分の長所・短所などが話題に上ることがあります。個人面接の場合、他の受験生の回答に影響されることなく、自分なりのリズムで受け答えを行いやすいです。ただし、他人の意見を参考にしながら自分の考えを組み立てることはできません。自分の考えを短時間で整理し、自分なりの言葉で表現する習慣をつけておきたいところです。
グループ面接は、複数の受験生が同時に面接を受け、討論などを行うのが一般的です。各受験生が述べる意見の内容はもちろん、他の受験生とのコミュニケーションの取り方も評価の対象となります。高校などであまり討論を経験したことがない受験生は、グループ面接対策を特に念入りに行う必要があるでしょう。他人の意見に耳を傾ける姿勢だけでなく、自らがリーダー役に指名された場合には議論をリードしたり、まとめたりする能力も求められます。
面接の形式については、受験情報を見ると明示されている場合があります。志望大学が決まっている場合は、個人面接・グループ面接のいずれが実施されるのかを把握しておきましょう。

大分大学医学部は面接の配点が高め

国立医学部で実施される面接試験は、配点が高い場合でも総点に占める割合が10％程度の場合が多いです。そのため、面接では大きな失敗をしない限り、共通テストや英語・数学等の2次試験で十分な得点を確保できていれば医学部合格を果たすことができます。
ただし、大分大学医学部のように、面接の配点が高めの大学もあります。大分大学医学部の一般入試前期では、2次試験の配点600点のうち、面接が3分の1にあたる200点を占めています。1次のセンター試験（2021年度共通テストに相当）をあわせた総点の満点も1050点であり、面接が全体の2割程度を占めます。面接でどこまで受験生間の差がつくかはわかりませんが、配点が大きいことを踏まえて丁寧な対策を行っておくと安心して2次試験に臨みやすくなるでしょう。

私立医学部推薦入試でも面接は重要

私立医学部でも面接が重要なポイントになる場合があります。特に、私立医学部推薦入試では、英語や数学の試験がなかったり、内容が易しく差がつきにくかったりするため面接の重要度が高くなりやすいです。
例えば、産業医科大学では、調査書に加え、小論文・面接で合否判定が実施されます。英語や数学・理科の学科試験は実施されないため、面接の出来も合否に影響しやすいと言えるでしょう。福岡大学医学部のように英語・数学の試験はあっても、小論文がなければその分面接の重要度が高くなりやすいです。
私立医学部推薦入試では、推薦に値する受験生のみでの競争となります。そのため、自らの強みや志望動機などが特に明確な受験生も多いです。通常の医学部面接よりも、高いレベルでの受け答えができるようにしましょう。

2021年度医学部入試面接の対策とは？

2021年度は共通テストが新たに導入されることや、新型コロナウイルスの影響が懸念されることから受験生の動向が読みづらいです。しかし、面接は多くの大学で実施されることから、早めに対策をしておいて損はないでしょう。
個別面接の場合は想定問答を丁寧に作成してください。その上で、高校や塾・予備校の先生に模擬面接をしてもらうと良いです。面接に苦手意識があり、繰り返し練習したい場合は保護者の方などに協力してもらう方法もあります。
グループ面接の対策としては、実際に模擬面接を行ってよい点や悪い点を指摘してもらうことをおすすめします。グループで話し合う中で、ついつい話し過ぎていたり、他人と同じ意見ばかり述べていたりといった事実を客観的に把握することが大切です。
また、2021年度医学部入試面接に向けては、コロナウイルス関連の話題にも対応できると良いでしょう。医学部受験生らしくコロナウイルスの特徴について知っておくことはもちろん、休校期間中の学習方法などについてもスムーズに回答する準備をしておいてください。