2021年度共通テスト<数学編>〜医学部受験のための知識~

2021年度の共通テストで数学はどう変わるの?

2021年度からは大学入試センター試験が廃止され、共通テストがスタートします。国立医学部受験生はもちろん、私立医学部でも共通テスト利用入試を実施する大学が見られます。医学部受験生にとって必須科目の数学について、共通テストの出題例やおすすめの問題集をチェックしてみましょう。

数学の出題内容について

新たに共通テストが始まるといっても、身につけるべき数学的内容はそれほど変わりません。ただ、出題形式に慣れておかないと、本番で戸惑って制限時間内に解き終えられないリスクが高まります。

共通テストの出題方針として挙げられているのが、

「身近な問題を通して考えさせる問題を出題する」

「複数の資料やグラフ、図表などを総合的に判断して、答えを導く」

という二点です。

これらは、数学だけでなく、他の科目でも予想される変化です。そして、具体的な事例にあてはめて考えさせるため、問題文が長くなる傾向があります。この2年間のセンター試験の数学1Aの問題が18~19ページだったのに対し、平成30年に行われた試行テストの数学1Aの問題は25ページありました。長めの問題文から必要な情報を的確に読み取る力が求められます。

例1 平成30年試行テスト 数学1A 第2問(2)


この問題は、表計算ソフトという日常的に触れるソフトに状況を設定して解かせる問題です。内容自体は難しくないですが、問題の設定に慣れないといけない面はあります。さらに、表計算テストは大学生やビジネスマンにはなじみのあるものでも、高校生や大学受験生にとっては必ずしもそうでもないかもしれません。時間に余裕のある時に、表計算ソフトを実際に使ってみても良いでしょう。

例2 平成30年試行テスト 数学2B 第1[3](2)(ⅲ)



こちらは数学ⅡBの問題ですが、対数を対数ものさしというツールを使って考えるという設定がある問題です。さらに、答えを複数選ばせる問題があります。

数学ⅠAに関しては、思考型の問題が増え、問題文量が多くなりすぎると処理しきれないので、本番の共通テストでは、従来型の問題もある程度混ぜることで時間不足にならないよう配慮がなされるということです。ただ、新傾向のやや手間取る問題も出ることが予想されますので、共通テスト数学に備えて処理能力を高めておくことをおすすめします。

試行テストや大学入試センターのアナウンスを基にすると

(1) 問題文量が多くなり、計算量は逆に減る。
(2) 日常的なものを利用した場面を設定して問題が作られる。
(3) グラフなどを使った問題が増える。

以上のポイントが浮かび上がります。

 

2021年度共通テスト数学対策におすすめの参考書・問題集

共通テスト数学対策におすすめの問題集は、「共通テスト実戦模試数学」(Z会出版)です。共通テスト数学では、思考力型の問題が多く出題されます。従来のセンター試験と比べて多様な思考が求められるため、共通テスト型問題に数多く取り組んでおくことが望ましいです。

「共通テスト実戦模試数学」では、オリジナル作成の模試5回分に取り組むことができます。数学ⅠA版と数学ⅡB版に分かれているので、まだ数学ⅡBの学習があまり進んでいない人も、まずは数学ⅠA版を利用して共通テスト対策を開始してみましょう。出題例の項目で紹介した平成30年試行テストの問題も掲載されています。

2021年度共通テスト数学は初年度ということもあり、難易度や制限時間の感覚がセンター試験とは大きく異なるかもしれません。どの医学部受験生にとっても目新しい出題形式になります。そのため、早い段階でまずは一度共通テスト形式の問題を解いておくことがおすすめです。

 

まとめ

・共通テスト数学は文章量の多さに注意

・グラフ等の資料を使った問題の対策も入念に

・共通テスト数学の形式に沿った問題集を繰り返し解こう

 

 

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