医学部受験を最後まであきらめない為に、知っておきたい自己分析方法!

医学部受験を最後まであきらめない!

医学部受験が近づく中で、「ダメかも知れないからもう勉強しない」という考え方をしてしまう受験生がいます。

まだ試験まで勉強する時間はあるにもかかわらず、あきらめたり勉強するモチベーションが落ちたりする受験生もいます。

そのように考える裏にはどんな「考え方のくせ」や「価値観」があるのでしょうか。

 

自身の「考え方のくせ」や「価値観」を自己確認する

マイナス思考が強い

私たちは、日常生活を送る中で楽しい日もあれば、「今日はがっかりすることが多かったな」、「今日は辛い一日だったな」と感じる日もあると思います。日々、プラス思考とはいかずに、マイナス思考になる日もあるでしょう。

マイナス思考も、その人にとって意味があり大切な時もあります。しかし、マイナス思考が長期に渡って続いてしまうと、やる気やモチベーションが下がってしまいます。

 

完璧主義

何でもきちんとしていないと気がすまない、100%できないと納得できないなど完璧にしないと落ち着かいという人もいます。もちろん、完璧にしようという気持ちがある人は責任感が強いという良い面もありますが、完璧を目指すばかりに「完璧でなければ失敗」と思い込み、計画や予定がきちんと進んでいないと、途中で嫌になってしまうことがあります。

 

プライドが高い

プライドとは「自尊心」や「誇り」という意味ですが、「プライドが高い」という表現を使う場合、ほかの人より優れていることを誇りに感じるということが多いようです。プライドを持つことは決して悪いことではありませんし、プライドの高い人は強い信念を持っており、向上心もあります。

ただ、プライドがあまりにも高くなると、自分自身を過大評価したり、周りが見えなくなったりすることがあります。ほかの人に負けたくない、失敗したくないと考え、途中で勉強をやめて、試験を受けないということもあります。

 

「他者評価」が気になるのは、こんな人

評価

「ダメかもしれないからもう勉強しない」という思考の裏には、他にも様々な考えのくせが原因になっている可能性がありますが、受験生に限って考えた時にこのような思考の共通点として、「他者評価がとても気になる」という心理的側面があります。

友人や先生から自分のことを「できない人間」、「試験に失敗した」と思わることへの不安を感じたり、親に対して申し訳ないと考えたり評価がマイナスになることに過剰に反応してしまうことがあります。「友人が自分が試験に落ちたことをバカにしてるんじゃないか」、「先生や親ががっかりしてるんじゃないか」など勝手に頭の中で考えたりしてしまいます。

実際には、誰かがどこかの学校に落ちたからといって、そんなにバカにしたりしないはずです。自分が思っているほど、他人はあなたのことを気にしていないのですが、ついつい誰かが自分のことを悪く言ってるのではないかと考えてしまうことがあります。周りが気になりマイナス思考になったり、完璧にやろうとしたり、自分を大きく見せようとプライドが高くなったりすることがあるのです。

このようにネガティブな状況になったときにはどうしたら良いのでしょうか。

 

思考パターンに気づき、紙に書きだす

まずは、今回例示した①〜③のような考え方のくせがないか自分自身を見つめ直してみましょう。「自分には〇〇な面があるんだな」と最初は気づくだけで構いません。場合によっては少しネガティブな感情がでてくることもあるかもしれません。そこで、次のステップとして、ネガティブな感情を紙に書いていきましょう。紙に書き、客観的に自分を見ることで、少し気持ちが楽になっていきます。アメリカの大学での研究において、「1日15分、ネガティブな感情について筆記すること」を4日間続けると、筆記直後はネガティブな感情が強まるものの、長期的にはポジティブになることが示されています。また、実験から4ヶ月後、「自分の感情について書いた被験者」と「部屋の様子など、表明的なことを書いた被験者」を比べると、前者は気分・感情の改善が認められています。このように、まずは自分の気持ちを紙に書くことをやってみましょう。

「できたこと」に丸をつける

一方で、見通せないことに対してチャレンジすることができる人には、どんな心の働きがあるのでしょうか。それは、自己重要感が高いかどうかが大きく影響しています。自己重要感は、自分はできるという感覚や自信があるというものです。自己重要感を高めるには、まずは小さいできたことをできたと認識するとことから始めます。例えば、きちんと歯磨きした、机を整理したなど簡単なことでも構いません。受験勉強であれば、教科書を開いた、ノートを見たというようなことでも構いません。このようなちょっとした「できたこと」に丸をつけて、できたという感覚を増やしていくことが大切です。

※親御さんにできること親御さんは、本人ができたことに気づけるように、言葉がけをするように心がけてみましょう。何かを指示したりするわけではなく、本人が自分の良さに気づくように見守ってあげることも大切です。

ついつい心配で何かアドバイスしたいと考えがちですが、多くの場合、本人も自分が改善したいことに気づいていることが多いので、言われるときついことも多いものです。

あえて、少し見守って、これまで頑張ってきたプロセスを認めてあげるような言葉がけをしてもらえればと思います。

 

まとめ

医学部受験を途中であきらめてしまうのは、マイナス思考が強かったり、完璧主義であったり、プライドが高いというような考え方のくせがある。また、受験生に限ってみると、そのような考え方のくせの裏側には「他者評価が気になる」という価値観がある。このような状況になったときは、自分の考え方を客観的に見るために、紙に書くようにする。
親御さんは受験生のこれまでのプロセスを認めてあげるような言葉がけをすることも大切です。

 

参考文献
科学的に自分を変える39の方法 堀田秀吾 クロスメディア・パブリッシング 202020

脳には妙なクセがある 池谷裕二 扶桑社 2012

子供が勉強にハマる脳の作り方 篠原菊紀 フォレスト出版 2010

執筆者


 

公認心理師
新田猪三彦(にったいさひこ)


2007年より心理学や脳科学の講座を行い、医歯薬専門予備校で受験に必要なメンタルの強化法、保育士会調査研究委員会において「保育士・保護者のコミュニケーション講座」、市民と協働によるまちづくり提案事業、産学官包括連携事業などを行っている。
九州朝日放送運営のマイベストプロ福岡でコラムの執筆にも携わり、一人でも多くの人が心が豊かに生活できるように情報を発信している。
また、部活動のメンタルトレーニング、学校を中退した学生の受験・学習支援、受験を見守る保護者の相談、資格試験合格のためのモチベーション管理、タイプ別による学習法のアドバイスなども行っている。

<略歴>
ふくおか成年後見センターさくら / 福岡コミュニケーションカレッジ講師 / PMD医歯薬専門予備校心理カウンセラー / 日本心理学会認定心理士 / 日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー / 文部科学省所管生涯学習開発財団(神経言語プログラミング)協会認定マスタープラクティショナー / ICA(国際コーチ協会)認定コーチ / カナダSuccess Strategies・Shelle Rose Charvet認定LABプロファイリング・プラクティショナー

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