医療の仕事シリーズ・コメディカルについて~作業療法士~

医療の仕事シリーズ・コメディカルについて~作業療法士~

作業療法士は、医療従事者の一員です。理学療法士、言語療法士とともに、リハビリテーション職と称されるもののうちの一つです。作業療法士は病院や施設で働くことが多く、対象者の生活を見据えたアプローチをすることができる魅力的な職業です。今回は、作業療法士とはどのような職業なのか?どうすれば作業療法士になれるのか?作業療法士の試験の難易度について紹介していきます。

作業療法士について

作業療法士は英語で「Occupational Therapist(OT)」と呼びます。心身に障がいのある方に対して、その治療手段としてさまざまな作業を用いる療法です。作業というと、手工芸のような細かい手作業などを思い浮かべる方も多いかと思いますが、ここでの作業とは日常生活に関わるすべての諸活動のことを指しています。食事や着替えなどのセルフケア、家事や仕事、余暇活動なども「作業」と位置づけられているのです。怪我や病気など、何らかの理由で作業(=活動)がうまくいかなかった時、作業療法士はさまざまな方法で対象者をサポートしていきます。さらに作業療法士は、身体だけでなく精神面に対しても作業を用いてアプローチすることができます。作業療法士は、対象者が自分らしく生き生きとした生活を送ることができるように、さまざまな作業を通して心と体を支えていく職業であるといえます。
作業療法士は主に病院、クリニック、介護保健施設等で働いています。また、理学療法士や言語療法士とは違い、精神病院で働くこともできます。これは、作業療法士の定義にある「身体又は精神に障害のある物に対し」が関係しており、精神障害者に対しても専門的にアプローチできることが理由です。
作業療法士になるためには、理学療法士と同様に毎年2月に行われる国家試験を合格し、作業療法士の資格を取得する必要があります。資格試験で問われる分野には、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、人間発達学、および作業療法などの分野から出題されます。しかし、国家試験を受けるためには、受験資格を満たす必要があります。受験資格を得るためには、作業療法士の養成課程がある大学、短大、専門学校で3年以上学び、所定の過程を修了しなければなりません。
作業療法士になるための流れは、基本的には理学療法士や言語聴覚士とほとんど変わりません。コメディカルの位置づけも変わらないため、就職先の給料も同額になります。しかし、2019年に行われた第54回理学療法士国家試験の合格率85.8%に対し、作業療法士国家試験の合格率は71.3%と、同じリハビリテーション職でも大きな差が生じています。
作業療法士国家試験は、かつては合格率が低かった次年度には、問題をやさしくして合格率を上げるといった帳尻を合わせる動きがみられましたが、ここ数年は連続して合格率が下がり続けています。この背景には、ある程度作業療法士の数が充足したため、新規の資格取得者を絞る厚生労働省の意向があるとする声もあり、今後もさらに合格者を減らすため、試験の難易度が上がる可能性もあります。しかし、合格率70%以上というのは、一般的な国家試験と比較すると高いため、養成校で知識を深めることで作業療法士資格を取得することは十分可能であるといえます。
厚生労働省が発表した「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均年収は、32.9歳で約408万円となっています。ちなみに、理学療法士や言語療法士も平均年収金額は同額となります。作業療法士の年収に関しては、病院や施設によっても差があり、昇給や賞与についても同様です。作業療法士として就職する際には、就職先の給料や福利厚生を理解して選ぶ必要があります。



まとめ

  • 作業療法士はリハビリテーション職の一員です。
  • 病院や施設で働くことが多いです。
  • 身体障害者だけでなく、精神障害者に対しても専門性があります。
  • 作業療法士になるためには養成校に通い、国家試験に合格する必要があります。
  • 作業療法士の国家試験合格率は年々低下傾向にあります。
  • 年収や給料については、病院や施設によって変わってきます。

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