“急な変更にも負けない”平常心で医学部受験を乗り切るためにしてほしい4つのこと。心理士が教えます

急な変更があっても慌てずに医学部受験するには
いつも通っているお店に行くとお休みだったので、違う店を探さないといけなくなった。登山に出掛けるつもりだったが、急に雨が降ってきたので屋内で遊ぶことにした。このように日々の生活の中で予定を急遽変更しないといけないという場面があると思います。コロナ禍においては、刻々と変化するコロナ関連の情報により日々の生活も予定を随時変更しながら行動しないといけないという場面もあるでしょう。

 

医学部受験においても、コロナ禍で 入試日程の変更、入試科目の変更 などがあり、入試直前においても急な変更が考えられます。そんなとき「まぁ仕方ないか」と考え、次の行動に気持ちを切り替えたりすることで対応できる人もいますが、この切り替えがとても苦手な人もいます。切り替えがうまくいかずに不安が大きくなってしまい、なにもできないということもあるでしょう。そもそもどうして急な変更や変化があったときに不安な気持ちになるのでしょうか。そして、そのような時にどのように対処すれば良いのか?医学部受験生を長く見てきた日本心理学会・認定心理士である新田がお教え致します。

 

不安の大きな原因は、次の行動が明確になっていないから!

不安の大きな原因は、次の行動が明確になっていないから!

予定が変わると多くの人は、次にどうしたら良いのか考えるのではないでしょうか。この時に次に何をしたら良いか分からないと、見通しが急に立たなくなりパニックを起こしてしまうこともあります。変更によって予め意識していた先の見通しが崩れてしまい、強い不安を感じてしまうのです。そのため、急な予定変更があったとしても、変更後にどうしたら良いのか少しでも見通しを持つことができれば、不安感を減らすことができます。つまり、急な変更が起きることを想定していくつかの選択肢を作っておくことが大切です。

 

脳は同じパターンを好む傾向がある

脳は同じパターンを好む傾向がある

脳は変化することよりも変化せず一定であることを望む傾向があり、変化に対してストレスを感じることがあります。

例えば、あなたが学校に電車で通学しているとしましょう。そんな時、事故により電車が動かなくなり、バスなど代替手段で移動しないといけなくなったらストレスを感じませんか。あと何分くらいで着くのかな、渋滞しているけど大丈夫なのかなどと心配になるのではないでしょうか。私たちの脳は分からないことを恐れます。変化というものは、分からないことをたくさん生み出すため、人は無意識のうちに変化を避けようとする傾向があります。

 

そのため、医学部受験においてもルーティン化が大切です。自宅学習においてもルーティン化が大切という記事を以前書きましたが、ルーティン(ルーチン)には「決まり切ったこと」「型にはまった」などの意味があり、ルーティン化とは同じことを同じ手順で繰り返し行うようにすることです。試験で考えると、試験日と同じ時間割で問題を解く、集団の中で問題を解くなど実際の試験と同じ形式、もしくはそれに近い形式で学習することで試験日当日のストレスを減らすことができます。

 

ルーティンの中に、あえてイレギュラーなことをやってみる

脳にとっては同じパターンで行動できるほうが良いのですが、コロナ禍ではルーティン化を行っていても、急に変更する必要がでてきます。

そこで、ルーティンの中に、あえてイレギュラーなこと行い、そのような状況に対応できるメンタルを作っておくことが大切です。イレギュラーなことを繰り返していくうちに、いずれ慣れていきます。この慣れる感覚がメンタルにはとても大切です。「イレギュラーなことが起きる」と認識しているだけでも、気持ちが変わってきます。そこで、先生に協力してもらい、試験範囲とは異なる問題をだしてもらったり、問題を解く制限時間を短めに変更したり、勉強する部屋を変えることも効果的です。

 

また、試験会場の変更などについては、学校以外の場所で勉強しておくなど環境を変えて勉強するトレーニングをつんでおくことも大切です。最初から急な変更があっても対応できるように変更後の選択肢を作っておくようにしましょう。

 

イレギュラーなことを視覚してみる

イレギュラーなことが起こり、脳が混乱している状態だと何をしたら良いのか分からなくなります。頭の中で思考がぐるぐる回っている状態では次の行動のアイデアが浮かびません。自分が置かれている状況を客観的に捉え、イレギュラーなことを認識するために紙に状況を書き、目で見て確認できるようにすることも大切です。変更後に使う内容を表などにして、視覚的に見える形にすることにより、落ち着いて次の行動を考えることができます。新たな内容や次に行う行動を表に書いて見える形にすることも大切です。

例えば、

変更前 変更後
試験時間 各教科120分 各教科90分
英語 発音、文法、長文 文法、長文
数学 数ⅠA、ⅡB、Ⅲ 数ⅠA、ⅡB
理科 変更なし

※表にすることにより、自分が何をする必要があるのか、今後どのような対策が必要なのかが見えてきます。

 

 

まとめ

脳は変化を好まず一定であることを好む傾向にあり、急な変化にはストレスを感じやすい。そのため、当日の試験と同じ時間割で勉強したり、試験会場と同じような雰囲気で勉強したりすることが大切で、ルーティンを作っておくことが大切。ただし、コロナ禍で急な変更も考えられるので、ルーティンの中に、あえてイレギュラーなことを行い、慣れておくことが重要。イレギュラーなことに対しては紙に書くなど視覚することで落ち着いて対処できるようになる。

 

参考文献

サトウタツヤ・北岡明佳・土田宣明 心理学スタンダード-学問する楽しさを知るー ミネルヴァ書房 2014

脳には妙なクセがある 池谷裕二 扶柔社 2012

図解使える心理学 植木理恵 KADOKAWA 2016

執筆者


 

日本心理学会・認定心理士
新田猪三彦(にったいさひこ)


2007年より心理学や脳科学の講座を行い、医歯薬専門予備校で受験に必要なメンタルの強化法、保育士会調査研究委員会において「保育士・保護者のコミュニケーション講座」、市民と協働によるまちづくり提案事業、産学官包括連携事業などを行っている。
九州朝日放送運営のマイベストプロ福岡でコラムの執筆にも携わり、一人でも多くの人が心が豊かに生活できるように情報を発信している。
また、部活動のメンタルトレーニング、学校を中退した学生の受験・学習支援、受験を見守る保護者の相談、資格試験合格のためのモチベーション管理、タイプ別による学習法のアドバイスなども行っている。

<略歴>
ふくおか成年後見センターさくら / 福岡コミュニケーションカレッジ講師 / PMD医歯薬専門予備校心理カウンセラー / 日本心理学会認定心理士 / 日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー / 文部科学省所管生涯学習開発財団(神経言語プログラミング)協会認定マスタープラクティショナー / ICA(国際コーチ協会)認定コーチ / カナダSuccess Strategies・Shelle Rose Charvet認定LABプロファイリング・プラクティショナー

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