2021年度医学部受験混乱の中でも勉強を続けるためのマインドセット~新型コロナウィルス対策
新型コロナウイルス感染症は私たちの生活に大きな変化をもたらし、一部では混乱を招いています。特に入試を控えた受験生にとっては、本当に試験は実施されるのか、入試科目はどうなるのかというような不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。実際に、入試にも新型コロナウイルスの影響はでていますし、今後も様々な影響が考えられます。このような中でも、気持ちを落ち着きけて、変化に振り回されないように心を整えるマインドセットをお伝えしていきます。
INDEX
新型コロナウイルスの医学部入試への影響
新型コロナウイルスに影響は医学部入試にも出始めています。国立大学協会は令和2年7月13日に、「国立大学の2021年度入学者選抜についての実施要領」の改訂について通知を行いました。「国立大学の2021年度入学者選抜についての実施要領」において、新型コロナウイルス感染症等に罹患した入学志願者の受験機会を確保するため、追試験の設定等を含む各種方策をとりまとめました。
さらに、新型コロナウイルス感染症対策に伴う試験期日及び試験実施上の配慮等にて文部科学省から各大学の個別学力検査に要請がなされている事項については、各大学で設定しているアドミッション・ポリシーにもとづき、入学志願者が不利にならないように、出題方法等の配慮について必要な措置を最大限講じるように各国立大学長に求めています。
また、各大学の個別学力検査の出題範囲等に関し,高等学校第3学年でも履修することの多い科目(数学Ⅲ,物理,化学,生物,地学,世界史B,日本史B,地理B,倫理,政治・経済など)の個別学力検査において,入学志願者が解答する問題を選択できる出題方法とするなどの配慮を行うことや,教科書において「発展的な学習内容」として記載されている内容から出題しない,あるいは出題する場合においても,設問中に補足事項等を記載するなど,特定の入学志願者が不利にならない設問とすることなどの工夫を行うように求めています。
試験日程に関しては新型コロナウイルスの影響による「前期日程」「後期日程」追試験を3月22日に試験第1日目として「前期日程」「後期日程」の追試験を行うとしています。今後も新型コロナウイルスの感染状況によっては入試要項や入試日程などの変更が予想されます。このような状況だと、受験生も勉強に集中できずにストレスを感じることも多いのではないでしょうか。
医学部入試に変更があっても実力を発揮する方法〜マインドセットとは~
コロナウイルス感染症等の影響による入試の変更が起きても、実力を発揮するためにはどのような方法があるのでしょうか。今回は、その方法のひとつであるマインドセットについてお伝えします。マインドセットの意味や解釈には様々ありますが、ここでは「各個人にある心のあり方、考え方、価値観、信念、物事の見方」と考えてください。マインドセットに関して
スタンフォード大学教授キャロル・S・ドゥエック(Carol S. Dweck)
は「しなやかマインドセット(growth mindset)」と「硬直マインドセット(fixed mindset)」の2つのマインドセットがあると述べています。
さらに
しなやかマインドセット(growth mindset)とは「自分の能力は努力で成長させることができるという考え方」
であり、このような考え方を持つ人は、様々なものごとにチャレンジしたり、失敗を受け入れたりしながら成長していきます。
結果に焦点を当てるのではなく、目標に向かって努力するプロセスを大切にします。
環境の違いや持って生まれた能力が違うことを受け入れつつも、努力し能力を伸ばしていこうと考えます。
一方で硬直マインドセット(fixed mindset)とは「自分の能力はもともと決められており変わることはないという考え方」であり、このような考え方を持つ人は、他者からの評価や失敗をとても気にします。努力しないで済むのなら努力はせず、自分が今持っている自信を守るために自分をほめてくれる人とだけ付き合います。失敗すると落ち込んで、自分以外のせいにすることもあります。自分はもうダメだと思い込んで逃げ出し、意欲も成績もガクンと落ちてしまうこともあります。
「硬直マインドセット」ではなく、「しなやかマインドセット」を持つことは大切ですが、場面によっては「硬直マインドセット」に陥ることもあるでしょう。
私たちは「しなやかマインドセット」、「硬直マインドセット」の両方を持ち合わせていると捉え、「硬直マインドセット」に自分が陥っているなと感じた時は、「しなやかマインドセット」に切り替えるという意識を持ちましょう。
マインドセットの考え方で医学部受験情報に振り回されないようにしよう!
マインドセットを受験情報に置き換えて、考えてみましょう。新しい受験情報を見たり聞いたりするたびに、「どうせ、また入試科目とかが変わってダメに決まっている」、「新型コロナウイルスのせいで受験勉強が進まない」というような言葉が口癖になっているような状態は「硬直マインドセット」の状態です。受験勉強という目標からから目をそらし、成長の機会を失ってしまいます。
一方で
「どんな状況でも自分は勉強できる」
「新型コロナウイルスの影響がある中で、受験勉強した経験は自分にとって大きな意味がある」
というような言葉がでてくる状態が
「しなやかマインドセット」
の状態です。
このような言葉が口癖になれば、どんな状況にあっても、勉強に集中できますし、医学部受験直前でも前向きに努力することができます。
では、このような「しなやかマインドセット」を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。
実は
「しなやかマインドセット」を高めるためには、どんな人と一緒に関わるかがとても重要になってきます・・・
医学部受験を乗り越えるためのしなやかマインドセットの高め方
「しなやかマインドセット」を高めることができるかどうかは、周りの人があなたにどんな関わり方をしているかがポイントになります。
例えば、あなたが模試や定期試験で点数が取れなかったときに、周りの人から
「テストの点数が悪いからダメだ」
「模試の点数が悪いから志望大学には合格できない」
と言われたらどんな気分になるでしょうか。
もしこのような言葉を繰り返し何度も言われていたら、あなたはどんな状態になるでしょうか。
次第にやる気も気力もなくなり、自分はダメだと思い込んでしまうのでしょう。
このようなことが繰り返されると「硬直マインドセット」に陥ります。
一方で失敗しても、共感してくれたり、今後のことを一緒に考えてくれたりする人がいたらどんな気持ちになるでしょうか。
おそらく「もう少し努力してみようか・・」という気持ちになると思います。
「しなやかマインドセット」を高めるためには、あなたに温かく見守り援助してくれる人が必要です。
具体的には
①点数が悪い時でも、人格を否定せず、どうすれば点数が上がるか一緒に考えてくれる人
②良い点数を取ったときに褒めてくれるのではなく、一緒に喜んでくれる人
③点数や入試の結果ではなく、そこにいたるまで勉強してきたプロセスを認めてくれる人
です。
このような人が周りにいると、あなたの「しなやかマインドセット」は高まっていきます。そして、入試も乗り越えていくことができます。
まとめ
入試の状況は今後も変化する可能性はあるが、心を振り回されないようにマインドセットを行う!
マインドセットには、「しなやかマインドセット」、「硬直マインドセット」があり、しなやかマインドセットを心がける!
しなやかマインドセットを高める鍵は周りの人のサポートなので、しっかりサポートしてくれる人を見つける!
参考文献
一般社団法人国立大学協会 https://www.janu.jp/news/whatsnew/20200713-wnew-nyushi.html
キャロル・S・ドゥエック(著)今西康子(翻訳) マインドセット「やればできるの研究」 草思社 2016
ハイディ・グラント・ハルバーソン(著)林田レジリ浩文(翻訳) 「やり抜く人の9つの習慣コロンビア大学の成功の科学」 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017
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