医学部志望校選定の参考に使える︕「学費」と「偏差値」の法則

近年、受験生が医学部を選別する時代になってきています。医学部選びの際にポイントとなるのが偏差値と学費です。実は、医学部の偏差値と学費にはある法則が見られます。そこで、医学部の学費ランキング・偏差値ランキングをチェックしながら、関係性を探ってみましょう。

 

私立医学部の学費ランキング

まず、私立医学部の学費ランキングを見てみましょう。

私立医学部学費6年総額ランキング(万円)

6年総額が安い順に並べた場合、私立医学部の学費ランキング1位は国際医療福祉大学です。6年間の学費総額は1910万円と最も安くなっています。一方、ランキング内での最高額は川崎医科大学の4737万円で、私立医学部間でも2倍以上の差があるのが実情です。

学費ランキング全体を見ても、順天堂大学のように学費が2000万円台前半の医学部が複数見られるのに対し、金沢医科大学や埼玉医科大学のように6年の学費総額が4000万円前後となる医学部もあります。私立医学部間でも学費に大きな差があるため、医学部選びの際には学費ランキングも参考にしてみてください。

 

私立医学部の偏差値ランキング

2020年度の私立医学部偏差値ランキングは表のようになっています。

順位医学部名偏差値
1慶應義塾大学72.5
2順天堂大学70.0
2東京慈恵会医科大学70.0
2日本医科大学70.0
2産業医科大学70.0
6自治医科大学67.5
6昭和大学67.5
6東京医科大学67.5
6東邦大学67.5
6日本大学67.5
6大阪医科大学67.5
6関西医科大学67.5
13岩手医科大学65.0
13東北医科薬科大学65.0
13国際医療福祉大学65.0
13北里大学65.0
13杏林大学65.0
13帝京大学65.0
13東海大学65.0
13東京女子医科大学65.0
13聖マリアンナ医科大学65.0
13金沢医科大学65.0
13愛知医科大学65.0
13藤田医科大学65.0
13近畿大学65.0
13兵庫医科大学65.0
13久留米大学65.0
13福岡大学65.0
29獨協医科大学62.5
29埼玉医科大学62.5
31川崎医科大学60.0

(河合塾全統模試におけるボーダー偏差値を基に作成)

 

慶應義塾大学医学部が私立医学部のトップとなっており、順天堂大学医学部、東京慈恵会医科大学など関東エリアの医学部が続いています。関東は受験生人口も多く、自宅から通える医学部として人気を集めている可能性もあります。

ランキング表を見ると、トップの慶應義塾大学医学部と川崎医科大学の間で偏差値に12.5ポイントの差があります。国公立と比べるとハードルがやや低いとされる私立医学部の間でも、難関校も含まれていて偏差値に大きな違いがあると言えるでしょう。

 

 

医学部の学費と偏差値の関係性とは?

私立医学部は学費の高さから敬遠されがちです。ただ、私立医学部間でも学費の差は2倍以上と大きくなっています。そのため、少しでも学費を抑えたい受験生のニーズから、学費が安い私立医学部は人気となり、偏差値も高くなる傾向が見られます。

次の図を見てください。
医学部偏差値と学費の関係

 

左上から右下に、「学費が安い&偏差値が高い」医学部から「学費が高い&偏差値が低め」の医学部へと向かう点線を引いてみました。点線の近くに多くの医学部を示す点があり、偏差値と学費は反比例する傾向を示しています。

左下の方に、「学費が安い&偏差値が中程度」の点が1つありますが、これは歴史が浅い国際医療福祉大学で、まだ受験生の評価があまり固まっていません。知名度の高まりとともに、学費の安さが魅力となって偏差値が上昇することもあり得るでしょう。

他の医学部についても、6年の学費総額が安いランキング上位の大学のうち、慶應義塾大学、日本医科大学などは偏差値ランキングでも上位となっています。学費の安さも大きな魅力となり、高い人気を誇っていると考えられます。

 

また、私立医学部の中には、順天堂大学など学費を大きく引き下げたことをきっかけに志願者が急増して、偏差値も上昇した大学が見られます。このことからも、私立医学部の受験生が学費ランキングを意識して医学部選びをしていることがうかがえます。

奨学金制度を使えば、学費が高い医学部でも実質負担を抑えられる場合はあります。ただ、給付型奨学金では優秀な成績が求められることも少なくありません。成績優秀ならば、より偏差値ランキング上位の医学部にチャレンジすることで、学費の安い医学部への進学を目指すのも良いでしょう。

まとめ
・私立医学部でも学費ランキング上位と下位で2倍以上の差がある
・学費が安い医学部ほど偏差値が高くなる傾向あり
・偏差値ランキング上位の医学部を狙えば学費を抑えやすい

 

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