2019年度福岡大学医学部入試傾向の解説<数学編>
INDEX
概要
- 大問は3問
- 解答時間は90分
- 空欄補充形式と記述式
設問別分析表
大問1(整数、データの分析、数列)
- 12345654321は111111を2乗したものであると気付けるかどうかがポイント。気づかなければ解くのは難しい問題。
- 平均と分散を求め、偏差値を求める問題。偏差値の式も与えられており解ける。答えが少し煩雑であるが相加平均と相乗平均の関係を利用して最小値を求める問題であり、典型的な解法で解ける。
- 式変形をして漸化式を考える問題であった。式変形自体は頻出なので取り組みやすい。その後の階差数列、部分分数分解なども典型的な問題である。
大問2(三角関数、2次曲線)
- 三角関数と微分の融合問題。置換後に無理関数になるところが少しやりにくい。
後は増減表から最小値を求めればよいので、計算をするだけではあるが煩雑である。 - 楕円と接線の問題で典型題。長方形の面積を求める際に原点と2直線の距離をそれぞれ求めることに気づけば解きやすい。
大問3(数学IIIの微分積分)
- 「極値を持たない条件は導関数の符号が変化しないこと」であることを利用する問題。
その後は定数分離の解法が典型的ではあるが上手に考えられるかがポイントである。あらかじめ符号が分かっているものは除外して考えるなどの工夫が必要。やや煩雑。 - (i)ができれば単純な面積計算。簡単な計算。
傾向と対策
大問1と大問2は小問集合で大問3は記述問題という例年通りの形式であった。昨年の問題と比べて難しくなっており、どの大問にも簡単には解けない問題が配置されている。できる問題を確実に得点したうえでそれらの問題が解けるかどうかが合否を分けるという問題セットであった。特に大問3の(ii)は簡単なので(i)ができたかどうかで得点に大きく差がついただろう。内容としては標準で典型的な解法を利用すれば解ける問題であるが、やや煩雑なものが多いというのが特長である。多少の問題の変化や数値の変化などに惑わされずに、正確に確実に解答にたどり着くことができる力が必要となる。受験前には計算が煩雑なものなども積極的に演習をするなど対策をしておく必要がある。
大問1と大問2は幅広い分野から出題されるのでどの分野から出題されてもいいように準備をしておくことが重要である。また、計算量や難易度も昨年、一昨年と一定ではない。昨年は素早く解法を思いつき、正確に解答をする力も必要であった。受験の際には問題に応じて適切な対応をとることが重要である。
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。