医学部受験で物理を選択した方へ・・基礎医学で押さえておくべき分野とは?

物理選択だと医学部に入って苦労するの?どうすればつまずかない?

高校で物理と化学を履修し、医学部に入学する方は少なくありません。物理・化学の受験が必須の医学部であれば、多くの場合入学後に基礎的な生物学の講義が設定されています。
しかし、生物も受験科目として選択可能の大学の場合は対応は分かれます。基礎的な生物の講義を設定する大学と設定されない大学があります。
医学部は生命科学を扱う学部ですので、どうしても生物学が重要です。この記事では物理、化学選択の方が医学部入学後に生物学でつまずかないためにはどうしたらいいかについて解説します。
高校の生物学を履修したことを前提に講義が進められる場合、自分で高校生物を勉強せざるを得なくなりますが、高校生物を全て勉強する必要はありません。
まずは高校生物の一部をしっかり理解すれば医学部の講義で大きくつまづくことはありません。医学部生が初年度、1年生の間に身につけておきたい生物学の分野を解説します。

細胞についての知識

細胞についての知識は必須です。細胞の中には細胞内小器官と呼ばれる構造があります。この小器官はそれぞれ生命活動を維持するための役割を持っています。
これらがどういうものか、どんな機能を持っているかを学習して下さい。まずは高校生物レベルのもので構いません。細かい事については、大学の講義が進むに従って講義の中で履修します。
学習しておく必須の小器官は

細胞膜、核、リボゾーム、リソソーム、小胞体、ミトコンドリア、液胞、微小管、ゴルジ体、核小体、中心体、細胞質

です。

セントラルドグマを理解しよう

細胞、身体を作る、または生命活動の維持のためには各種タンパク質が必要です。このタンパク質は細胞の中で作られますが、このタンパク質の設計図となるものがDNAです。
DNAの情報を基にタンパク質が作られるまでの過程を概念化したものがセントラルドグマです。大まかに書くと、DNAから転写されてmRNAができる、mRNAから翻訳されてアミノ酸の鎖ができる、そして構造が整えられてタンパク質となる、となります。
この中にはさらに細かいステップがありますが、それらは大学で学びます。DNA→mRNA→アミノ酸→タンパク質という流れをしっかり頭に入れて下さい。大学によって異なりますが、このセントラルドグマをさらに細かくして、アンフィンセンドグマとして講義をする教員もいます。

細胞の分化の理解

iPS細胞の研究が進み、細胞の分化についての理解も医学部生にとっては必要な事柄になりました。この分化という考え方は生命科学では非常に重要です。
概念としては、特殊化していくという言葉で表現されますが、実際に学生にとっては把握が難しい概念です。
人間の受精したばかりの受精卵では、その細胞は将来は人間になる事は決まっています。しかし人間には肝臓や心臓、脳、筋肉などが必要です。
受精卵は細胞分裂を繰り返して細胞の数を増やしていきます。細胞が増えてくると、「人間の身体になる」という事だけが決まっていた細胞が、「これは肝臓になる細胞、これは心臓になる細胞」と将来が決定されていきます。
この決定のプロセスが分化と言われるものです。細胞がどんどん専門化していく感じです。

生物を履修した学生にとっても難しい

講義内容が難解で自信がなくなっていくかもしれませんが、生物を履修した学生にとっても、医学部の生命科学系の講義は難解です。
講義のたびにわからない事、知らない単語が出てきます。それをすぐに調べる事が重要です。試験前にまとめてやろうとすると、講義は理解できないまま進むので、最後に多大な労力が必要になってしまいます。

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