医学部志望校の選び方

受験において、志望校選びは非常に大切です。それは、医学部においても、もちろん例外ではありません。

医学部志望であれば、誰もが自分が目指す理想の医師像を描くでしょう。その理想の医師像に近づくためには、どこの大学の医学部で、どのように勉強していくかを考えることがとても大切です。

また、理想を描くとともに、現実をしっかり見極めることも同じくらい大切だと言えます。

志望校に合格するために成績を伸ばす努力はもちろん必要ですが、それと同時に自分の実力を良く見極め、実力と大きく乖離していない大学、つまり、合格の可能性が高いと思われる大学の医学部を志望校に選ぶということも一つの方法です。

様々な視点から、志望校選びについて考えていきましょう。

 

 

国公立大学医学部の選び方

まずは、国公立大学の医学部についてご紹介します。

国公立大学の概略を知ろう

医学部がある国公立大学は、51校。

入試の際には、第一段階として、必ず大学入学共通テストを受験しなくてはなりません。ほとんどの大学で、全科目試験が課されるため、各教科オールマイティーに得点をとれるということが求められます。

共通テストの結果次第で、二次試験を受けられるかどうかが決まってくるので、全科目において90%以上の得点率が必要。得意教科を伸ばすよりも、苦手な教科をなくす、という勉強方法が望ましいでしょう。

私立と比べると、学費が安いことがメリットですが、その分、難易度は非常に高くなります。

また、研究医の育成に力を入れている大学が多いので、研究の道を選びたいと考えるなら、国公立大学がおすすめです。

志望校を決めるまでの流れ

受験したい大学を事前に何校か選んでおき、最終的に国公立大学の志望校を決定するのは、共通テスト後にするとよいでしょう。

その理由は二つ。各大学で共通テストのボーダー点数が異なること、そして、共通テストと二次試験の配点比が異なることが挙げられます。

志望校を決めるポイント

国公立大学の志望校を決めるには、まず、自分の実力に見合う大学をいくつかリストアップしておくことが大切です。

その中から、各大学の特色を調べ、自分の希望に合う大学を選びましょう。そして、先に挙げたように共通テストの結果を注視し、最終的に志望校を決定するとよいでしょう。

もう一つ、近年、地方での医師不足が非常に問題となっていますが、それにともなって、地方の医学部においては、定員を増やす傾向にあります。

医学部のある大学は首都圏にもたくさんありますが、競争率を考えると、地方の大学を志望校に選ぶというのも一つの選択肢ですね。

 

 

私立大学医学部の選び方

次に、私立大学の医学部についてご紹介していきます。

私立大学の概略を知ろう

医学部がある私立大学は、31校。

私立大学においては、入試内容や出題傾向が各大学によって大きく異なります。

科目ごとに配点が違うのも大きなポイント。つまり、自分自身の得意教科の配点が高い大学を選べば非常に有利になるということです。苦手な教科があって、どうしても克服できないという場合には、得意教科で勝負できる私立大学を志望校に選ぶとよいでしょう。

学費は、国公立と比べると、非常に高く、難易度と学費が反比例する傾向にあります。

ただ、学費が高い分、活発に設備投資が行われていますし、指導する側の人材も豊富に登用されています。学生にとってはハード面・ソフト面、共に充実した環境で勉強できるというのが魅力ですね。

また、臨床医の育成に力を入れている大学が多いので、将来的に開業医を目指すなら、私立大学がおすすめといえます。

志望校を決めるまでの流れ

私立大学は国公立大学より、各大学の個性が強く出るのが特徴。事前に下調べをしっかりして、自分の個性に合う、そして、目指す道に合う大学を志望校の候補に挙げましょう。

また、私立大学の場合、入試日程が大学によって違うので、複数の大学を受験することが可能です。入試日程を調べ、無理のないスケジュールで受験する大学を決めましょう。

志望校を決めるポイント

私立大学は、入試方法から入学後のカリキュラムまで、各大学によって大きく異なりますので、各大学の特色をしっかり調べておきましょう。

先に挙げたように、入試内容や出題傾向も大学によって異なるので、それらについてもよく調べて、合格に有利な大学を選ぶことも大切です。

また、志望校決定の際に、しっかりと把握するべきなのが私立大学にかかる費用。

学費はもちろんですが、それ以外にかかる費用(寄付金や設備費など)も、しっかりとリサーチし、経済的に無理のない大学を志望校として選ぶとよいですね。

 

 

まとめ

・医学部がある大学は、全国で82大学。各大学の特色を理解することから始めよう

・国公立大学で医学部があるのは、51校。難易度は非常に高いが、学費が安いことがメリット。まずは共通テストで高得点を目指し、その結果次第で志望校を絞ろう

・私立大学で医学部があるのは、31校。入試内容やカリキュラムが大学によって大きく異なることがポイント。各大学の個性を見極め、自分に合った大学を選ぼう

 

執筆者


前川 陽子

早稲田大学第一文学部卒業。

オンライン作文教室「言葉の森」にて作文・小論文指導歴15年。
中学受験~大学受験まで、記述・論文・志望理由書などの指導実績多数。

 

 

 

 

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